
大手投資家らが、世界経済が減速する可能性に備えてリスクの高い企業負債への投資比率を縮小し、防御的なポートフォリオへの転換を図っている。近年続いた信用市場の上昇によりリスク対比の収益率が低下したうえ、景気減速時に大規模な売り渡しに発展する恐れがあるとの判断からだ。
16日(現地時間)、ニューシスの報道によると、ブラックロックやM&G、フィデリティ・インターナショナルなどの主要資産運用会社は米国の社債スプレッド(企業債と国債の金利差)が大幅に縮小したことを受け、比較的安全な企業債や国債中心に資金をシフトしている。信用スプレッドの縮小は、投資家が追加リスクを負っても得られる見返りがほとんどないことを意味する。
フィデリティ・インターナショナルのファンドマネージャーであるマイク・リデル氏は、「信用スプレッドが極めて狭く、これ以上縮小する余地がほとんどない」と指摘し、「世界経済にわずかな衝撃があってもスプレッドが急拡大する可能性がある」と警告した。彼は、自社のグローバル・フレキシブル債券ファンドが先進国信用市場に対して「ショートポジション(下落に賭ける)」を取っていると明かした。
ブラックロックの欧州アクティブ債券共同責任者であるサイモン・ブランデル氏は、「継続的なスプレッド縮小を受け、同社はより高格付けの短期債中心にポートフォリオを再編した」と述べ、「市場が利下げと安定成長という『ゴルディロックス・シナリオ(理想的な経済環境)』をすでに織り込んでいるため、現在は防御的ポジションが有利だ」と説明した。
一部の債券では社債スプレッドがマイナスに転じる例も見られた。楽観論者らは、この極端な状況も正当化されうると見ている。企業の財務体質が近年改善されたことや、米連邦準備制度理事会(FRB)が、来年末までに少なくとも4回にわたって各0.25%ポイントの利下げを行うとの期待が背景にある。
レバレッジローン(高リスク企業向け融資)市場でも、投資家たちの拒否反応が高まっている。一部の新規融資が取り下げられ、既存債券価格が下落する中、資金が安全資産へ流れている。あるハイイールド債トレーダーは、「ここ1~2週間で複数の銘柄に問題が生じ、市場の信頼が揺らいでいる」と語った。
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