
南米ボリビアで、親の同意があれば認められていた未成年者の婚姻が全面的に禁止された。
9月18日(現地時間)、英BBCムンドによると、ボリビア下院は9月17日、賛成87票で18歳未満の結婚および事実婚を禁止する家族法改正案を可決した。現在はルイス・アルセ大統領の公布手続きが残されている。
従来のボリビア法では、結婚可能な最低年齢は18歳と定められていたが、16歳〜17歳は親や後見人の同意があれば結婚が認められていた。
改正案を主導した与党・社会主義運動党のビルヒニア・ベラスコ上院議員は「子どもや若者の権利侵害を防ぐ歴史的成果だ」と述べ、「今後は学校や大学、地域社会で少女の権利を周知させる必要がある」と強調した。
ベラスコ議員は法案提出の契機について「エル・アルトで困窮家庭を支援する中で14歳の少女マリアに出会った」と語った。さらに「マリアは親の命令で、自身の倍以上年上の男性と結婚し、妊娠した直後に夫に見捨てられ、生まれたばかりの子どもと二人だけで残された」と説明した。
人権オンブズマンによれば、2014年〜2023年に16歳〜17歳の結婚件数は少なくとも4,804件に上り、早婚の主な要因として親子間の権力関係や経済的事情が挙げられる。
また、改正前であっても16歳未満の子どもと成人との結婚や同棲は違法とされていたが、約3%に当たる約3万2,000人の少女が15歳未満で事実婚や同棲関係にあることが判明した。
国際NGOセーブ・ザ・チルドレンの子ども保護専門家ヒメナ・ティト氏は「数千人の未成年者が児童妊娠、強姦、人身売買などの被害に遭う可能性がある」と指摘した。
ボリビア保健省の資料によれば、2015年〜2023年に報告された子どもおよび若者の妊娠件数は45万8,000件以上に上った。
今回の法案通過は、エボ・モラレス前大統領に対する、15歳の未成年者への不適切な行為や児童搾取容疑の捜査と重なり、大きな波紋を呼んでいる。
ベラスコ議員はこの点に関し「正義はすべての人に等しく適用される。犯罪を犯せば法に従って罰せられる」と語った。













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