
カナダの情報当局が、米国で拡散中の新ナチス主義的武道クラブ「Active Clubs」を国家安全保障上の脅威として注視していると、英紙ガーディアンが19日(現地時間)に報じた。
報道によると、カナダ国内のActive Clubsである「Nationalist‑13」は、8月にテレグラムで全国集会の映像を投稿したという。映像には、会員たちがジムで筋力トレーニングやスパーリングに励む様子が映し出され、米イリノイ州・ウィスコンシン州の支部や武装極右団体「パトリオット・フロント」のロゴも確認された。彼らは映像とともに「カナダには優秀な(白人)男性が必要だ」という文言を添えていた。
Active Clubsは、アドルフ・ヒトラー氏の思想に影響を受けた極右系の総合格闘技(MMA)組織で、暴力的な活動主義と白人優越主義を煽る団体として知られている。カナダ安全情報局(CSIS)は、米国発の過激主義運動が国境を越えて拡散している点に注目している。
CSISは今年1月の報告書で、Active Clubsに関連する国際的協力の強化を強調し、一部のカナダ人が米国内の過激主義イベントに参加したり、武道訓練のために国境を越えたりする事例が増加していると指摘した。報告書は、このような連帯強化が「最終的に暴力へとエスカレートする可能性がある」と警告している。
昨年もCSISは新ナチス組織のオンライン活動を監視していると明らかにしており、報告書によれば、一部のクラブはテレグラムを通じてユダヤ人や米政府を標的にした暴力扇動の文章を投稿していたという。
専門家は、このような国際的ネットワークがグローバルな新ナチス運動の再興につながる可能性があると指摘している。カナダの過激主義研究者であるピーター・スミス氏(Peter Smith)は「彼らは各国で独立して活動しているものの、自らを『白人以外の排除と国の奪還を掲げるグローバル運動の一員』と位置づけている」と述べ、「SNSを通じたイデオロギー、戦術、美学の共有により、数十年ぶりに最も強力な超国家的な新ナチス運動が形成されつつある」と分析している。
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