
中国人民解放軍の補給艦が最近、南シナ海の係争海域であるスカボロー礁(中国名:黄岩島、フィリピン名:バホ・デ・マシンロク)近海で自国の海上警察船に対して補給作戦を実施したことが明らかになった。
20日、フィリピンの放送局「ABS-CBN」によると、フィリピン沿岸警備隊が先週、スカボロー礁近海で中国海軍の戦闘艦と海上警察船、さらに数隻の民間船舶を確認した。この中で、中国海軍の補給艦である「青海湖」が、船体番号3304番を付与された海上警察船に対して補給作戦を行う様子が捉えられたという。
今回の作戦は、南シナ海において中国とフィリピン間の緊張が続く中で、中国海軍と海上警察の連携体制が強化されていることを示唆している。
中国の国営放送局CCTVは2日、中国人民解放軍南部戦区所属の補給艦「青海湖」が南シナ海の特定海域に移動し、駆逐艦、護衛艦、海軍航空部隊などと合同で戦闘支援訓練を実施したと報じ、訓練の目的は戦闘作戦及び緊急対応能力の強化であると説明した。
「青海湖」は第2世代908型補給艦で、満載排水量は約3万7,000トン、定員は約125人である。1990年代末にウクライナでタンカーとして建造され、中国が導入後に補給艦へ改造された。
一方、スカボロー礁は南シナ海北部に位置する戦略的要衝であり、中国、フィリピン、台湾がいずれも領有権を主張している。中国は2012年からこの岩礁に対して実効支配を続け、最近では管轄権強化のための措置を次々と発表している。
先月には中国自然資源部が提案した「黄岩島国家級自然保護区」指定案が承認され、当該地域は海南省三沙(さんさ)市の管轄下に置かれることとなった。
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