
サウジアラビアの実権を握るムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が11月、3日間の日程で米国を訪れ、ドナルド・トランプ大統領と会談する予定だと、AFP通信が21日(現地時間)に報じた。
匿名の情報筋によると、サルマーン皇太子は11月17日に米国に到着し、翌18日にトランプ大統領と政治、経済、安全保障分野について協議する見通しだという。
サルマーン皇太子の訪米は、2018年のジャマル・カショギ記者殺害事件以来初となる。カショギ氏はワシントン・ポスト紙のコラムニストで、イスタンブールのサウジアラビア総領事館内で15人の工作員に殺害された。
2021年、当時のジョー・バイデン大統領は、サルマーン皇太子がこの作戦を承認したとする米情報機関の報告書の機密を解除したが、サウジ当局は関与を否定した。
一部報道によると、サウジアラビアはトランプ大統領がカタールを攻撃から防衛すると約束した行政命令以降、米国との安全保障協定の締結を望んでいるという。
サウジアラビアは2023年10月のガザ地区での戦闘勃発前、安全保障および原子力エネルギー協力を条件に、イスラエルとの関係正常化に向けた暫定交渉を米国と進めていた。
一方、戦闘が激化すると、「メガディール」と呼ばれる交渉を中断し、パレスチナ国家の樹立なしにはイスラエルを承認しないとの立場を明らかにした。
トランプ大統領は、政権2期目の初の海外訪問先として5月にサウジアラビアを訪れた。サウジアラビア側は大統領を厚遇し、防衛産業から人工知能(AI)まで、総額6,000億ドル(約88兆6,992億円)規模の取引を約束した。
両国は、米国による軍事的保護とサウジアラビアの石油へのアクセス権を交換し、長年にわたり緊密な関係を維持してきた。サウジアラビアがイスラエルを承認すれば、トランプ大統領にとって大きな政治的成果となる見通しだ。
トランプ大統領は、2020年の任期中に米国の仲介でアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、モロッコが「アブラハム合意」に署名したことを成果としている。
サウジアラビアはパレスチナ国家樹立において主導的な役割を担っており、9月には米国と共に国連総会で「ハマスを除外したパレスチナ国家の設立」を支持する内容のニューヨーク宣言を採択させた。
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