プーチン大統領、陸海空の核演習を自ら指揮 米財務長官「対ロ制裁を大幅強化へ」
ロシア、ICBMと戦略爆撃機を動員した大規模演習を実施
米財務長官「トランプ大統領、プーチン大統領に失望 和平交渉は進展せず」

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は22日(現地時間)、戦略核戦力の演習を自ら指揮した。演習は、ドナルド・トランプ米大統領との米露首脳会談が保留となる中で実施された。
CNNやAP通信によると、クレムリンは「プーチン大統領の指揮の下、核戦力の三本柱である陸・海・空すべてが参加する大規模軍事演習を実施した」と発表し、「全ての任務が完了した」と明らかにした。
クレムリンは「今回の演習は、軍の指揮系統における核兵器使用の承認手続きを確認することを目的としている」と説明し、ロシア軍のワレリー・ゲラシモフ参謀総長が、映像を通じてプーチン大統領に結果を報告したという。
演習では、ロシア北西部プレセツク宇宙基地からヤルス大陸間弾道ミサイル(ICBM)が発射され、バレンツ海に配備された戦略原子力潜水艦からシネバICBMが発射されたほか、ツポレフ95(Tu-95)戦略爆撃機が空中発射型巡航ミサイルを発射した。
AP通信は「プーチン大統領は白い円卓に一人で座り、ゲラシモフ参謀総長とアンドレイ・ベロウソフ国防相が映る大型モニターを前にしていた」と伝え、「彼らはいずれも実際の核兵器発射時に中枢的な決定権を持つ人物だ」と報じた。
また「プーチン大統領は、今回の演習が事前に計画されていたものであると強調したが、実施の時期がトランプ大統領による首脳会談保留の発表直後だったため、様々な見方が広がっている」と指摘した。
これに先立ち、トランプ大統領はハンガリーのブダペストで予定されていたプーチン大統領との米露首脳会談を延期した。トランプ大統領は前日、ホワイトハウスで「時間の無駄になるような無意味な会談は望まない。今後の動きを見守る」と述べていた。
一方、米国はロシアへの制裁を大幅に強化する方針を明らかにした。
スコット・ベッセント財務長官は同日ホワイトハウスで記者団に対し、「本日の会議終了後、もしくは明朝までに強化された対ロ制裁の方針を発表する」と述べ、「内容はまもなく確認できるだろう」と語った。
ホワイトハウスの関係者も、トランプ大統領がロシアに関連する新たな制裁措置を発表する予定であることを確認している。今回の制裁は中国とは無関係とされる。
ベッセント長官は同日、米経済専門チャンネル「フォックス・ビジネス」とのインタビューでも、「今回の制裁は過去最大規模の一つになる見通しだ」と述べ、トランプ大統領がプーチン大統領に失望していると明かした。
さらに「プーチン大統領は期待されたような誠実な交渉姿勢を見せなかった。2か月前にアラスカで行われた会談でも、交渉が進展しないと判断したトランプ大統領が席を立った」と説明した。
その上で「水面下での協議は続いているものの、大統領は現状の進展に強い不満を抱いている」と述べた。
ベッセント長官は「これは関税ではなく制裁であり、実効性の高い強力な措置になる。我々は欧州や主要7か国(G7)、カナダ、オーストラリアにも協調を呼びかける」と付け加えた。
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