
米ロ首脳会談が取り消された直後、米国はロシアの主要エネルギー企業を制裁対象に加えた。ウクライナ戦争の「資金源」となるエネルギー部門を直接狙った措置だ。米国のドナルド・トランプ大統領はこれを「強力な制裁」と表現し、スコット・ベッセント米財務長官は同盟国への参加を促した。ロシアが休戦・終戦交渉において一切譲歩しないため、米国が経済的な圧力を強めたとの分析がある。
トランプ大統領は22日(現地時間)、ホワイトハウスにて北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長と会談した際、「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領との会談を取り消した。適切でないと判断したからだ」と述べた。さらに「プーチン大統領と話すたびに対話自体は有意義だが、結局何の進展もない」と付け加えた。
16日、トランプ大統領はプーチン大統領との電話会談後、ハンガリーでの首脳会談開催を発表したが、その後、会談中止の噂が相次いだ。ホワイトハウスは当日、正式に中止を認めた。首脳会談が実現しなかった理由は、ロシアが従来の立場を固守したためである。
ロシアは依然として、ウクライナがより多くの領土を譲渡しなければ休戦は不可能だと主張している。特に、ウクライナ東部ドンバス(ドネツク・ルハーンシク)全域の支配権を要求していると言われている。現在、ロシアはルハーンシク州全域とドネツク州の約75%を占領している。この要求は、現状の前線を凍結したまま休戦を進めようとするトランプ大統領および欧州側の提案を事実上拒否するものである。
米国財務省外国資産管理室(OFAC)は「ロシアがウクライナ和平交渉に真剣に取り組んでいない」として追加制裁を発表した。制裁対象はロシア最大の石油企業「ロスネフチ」と「ルクオイル」およびその子会社である。財務省は「両社はロシアのエネルギー産業の中核を担い、クレムリン(ロシア大統領府)の戦争資金源になっている」とし、「これらの企業が50%以上の株式を保有する全ての法人の米国内資産は凍結される」と述べた。
トランプ大統領は「制裁を課す時が来たと感じ、長い間待っていた」と語り、ベッセント長官は「プーチン大統領がこの無意味な戦争を止めない限り、ロシアのエネルギー資金を遮断する」と強調した。
欧州連合(EU)もロシアへのエネルギー依存を根本的に断つため、19回目になる制裁パッケージを準備中である。今回の制裁案には、ロシア産液化天然ガス(LNG)輸入の全面禁止、「シャドーフリート」117隻への制裁、ルーブル連動の仮想通貨取引禁止などが含まれる見込みだ。
デンマーク政府は2027年1月1日からロシア産LNG輸入を全面的に禁止すると正式に発表した。この措置はロシアのエネルギー収益構造を直接狙ったものと評価されている。EU高官は「制裁がロシア経済の首を絞めている」とし、「我々はその罠をさらに締め付ける」と述べた。
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