テスラ、次世代ヒューマノイド「オプティマス」第3世代を来年初公開――「鍵を握るのはロボットの手」
年末までに量産体制を構築へ 年間100万台の生産を目標
テスラは来年、自社開発のヒューマノイドロボット「オプティマス(Optimus)」の第3世代モデルを公開する方針を示した。第1四半期中に試作品を発表し、年末までに量産体制へ移行する計画だ。
イーロン・マスクCEOは22日(現地時間)に行われた第3四半期決算の電話会見で、オプティマスの開発状況と今後のロードマップを公表した。
マスクCEOは「第3世代オプティマスはロボットというより、まるでロボットスーツを着た人間のように見えるほどリアルな姿になる」と強調し、ヒューマノイドロボットの商用化が本格的な転換点を迎えると述べた。
また、「オプティマスは人間の5倍以上の生産性を発揮できる。24時間稼働する知的労働力として、人類の経済構造そのものを変えることになるだろう」と語り、年間100万台の生産を目標に掲げた。

さらにマスクCEOは、ヒューマノイドを「無限に利益を生み出すグリッチ(バグ)」と表現し、長期的には1,000万~1億台規模の量産を目指す考えを明らかにした。
同CEOはオプティマスについて、「テスラの歴史上、最も大きな製品となる可能性を秘めたプロジェクトだが、決して容易な挑戦ではない」と述べた。
自動運転車の開発で蓄積された「実世界知能(リアルワールドAI)」を完全に移植しており、現在パロアルトのエンジニアリング本部ではオプティマスの試作機が24時間365日歩行試験を続けているという。訪問者がロボットに「特定の場所まで案内してほしい」と指示できるほど、実環境への対応力も向上しているとされる。
マスクCEOは、オプティマス開発における最大の技術的課題であり競争力の要として「ロボットの手」を挙げた。「人間の手のように繊細で器用な動きを再現するのが最も難しい。手や腕はロボット全体よりもはるかに複雑な電気機械システムだ」と指摘した。ロボットの手の完成度が人間に近づかなければ、真の汎用ロボットとしての実用性と生産性を確立できないとの見方を示した。
また、大量生産に向けたサプライチェーンの欠如にも言及し、「ヒューマノイドロボット専用の供給網はまだ存在しない。テスラは垂直統合体制を構築し、部品を自社製造する方針だ」と明かした。
オプティマスのハードウェア設計は、量産開始後も継続的に改良される見通しで、開発終盤には新たな技術的課題が判明する可能性があるという。
マスクCEOは会見前日、自身のSNS「X」で「AIとロボットがあらゆる仕事を代替する時代が来る。将来的には、店で野菜を買う代わりに自分で育てるようになるだろう」と投稿し、AI社会の到来を予測した。













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