
ロシアと北大西洋条約機構(NATO)との軍事的緊張が高まる中、ロシアが戦争に備え北極圏に原子力艦隊を集結させているとの主張が浮上した。24日、英テレグラフは、ロシアが北極圏で核兵器と潜水艦を増強しているというノルウェー国防相の発言を伝えた。
このインタビューでノルウェーのトーレ・O・サンドヴィク国防相は、ロシアがコラ半島で武器を増強しているのを確認したと主張した。サンドヴィク国防相は「ロシアは世界最大規模の核弾頭貯蔵庫の一つであるコラ半島で核兵器を増強している」と述べ、「これらの核兵器はノルウェーだけでなく、英国および北極を越えた米国とカナダをも対象にしている」と明かした。
さらに「ロシアはウクライナ戦争で大きな損失を被っているが、北方艦隊は健在だ」とし、「核弾頭の脅威とコラ半島での第二撃能力がロシアを依然として超大国の地位に留めている」と付け加えた。

ノルウェーとフィンランドの国境を挟むロシア北西部に位置するコラ半島は、核戦争の最前線とされている。かつて旧ソ連は冷戦期にこの地域に大規模な核貯蔵施設を建設し、現在ロシアが保有する原子力推進潜水艦の大半もここに配備されている。特にこの地域はロシアの第二撃能力において重要な役割を果たしている。核戦略における第二撃能力とは、敵国からの核攻撃を受けた後でも破壊的な反撃を加える能力を指す。
ロシアが戦争中にもかかわらず北極圏で軍事力を強化しているのは、この地域における支配力を高めるための布石と解釈される。戦略的な立地に加えて、北極海では氷河の融解により新たな海上輸送路が開かれ、欧州とアジア間の航行距離が半減し、莫大な経済的利益が見込まれている。このため、西側主要国は北極圏が新たな戦場になる可能性を懸念している。

サンドヴィク国防相は「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は北極地域の完全な支配権を確保し、有事の際には西側軍への補給線になる海上輸送路を遮断しようとするだろう」と述べ、「ウクライナ戦争が終結すれば、プーチン大統領はフィンランド国境を脅かすために軍隊を派兵する可能性が高く、北極圏が主要な安全保障上の懸念地域になる可能性が高い」と展望した。














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