
米国のハワード・ラトニック商務長官は、日本が米国に投資する5,500億ドル(約83兆8,169億円)を、発電など元本割れのリスクがほとんどない重要産業インフラの構築に充てると述べた。一方、韓国に要求した3,500億ドル(約53兆3,312億円)の投資金をどこに投入するのか注目されている。
また、韓国の関心事の一つである半導体関税については、日本に15%を課すと述べた。これに先立ち、欧州連合(EU)に対して半導体関税15%が決定されたことを踏まえ、日本に最恵国待遇が約束されたと解釈できる。
ラトニック長官は27日、米国のドナルド・トランプ大統領に先んじて日本に到着し、東京にある在日米国大使館で日本経済新聞(日経)とのインタビューに応じた。インタビューでラトニック長官は、日本の5,500億ドルの投資について「日米の経済安全保障のための共同投資」と位置付け、第1号案件は電力分野であり、「発電やパイプラインなどのリスクゼロのインフラに資金を投入する」と述べた。
以前合意されたトランプ政権との貿易協定において、日本はトランプ政権が課した相互関税を25%から15%に引き下げる代わりに5,500億ドルの対米投資を約束した。しかし、投資資金の調達方法については明らかにされていない。
日本のメディアによると、半分は外貨準備から拠出し、残りの半分は民間企業や銀行が発行するドル建て債券を日本政府が保証する方式が有力という。また、日本銀行が米連邦準備制度理事会(FRB)と締結した通貨スワップを利用し、FRBに円を担保として提供してドルを受け取る方式も検討されている。
5,500億ドルは、ラトニック長官が委員長を務める投資委員会が管理する。日本が投資金を回収するまでは、米国と日本が利益を半分ずつ分け合い、日本が投資金を回収した後は、米国が利益の90%、日本が10%を取得する仕組みである。ラトニック長官の「リスクゼロ」という発言は、日本が迅速に元本を回収できるよう、元本割れリスクのない安全な投資先を選定することを意味している。
また、ラトニック長官はトランプ政権が推進するアラスカの液化天然ガス(LNG)開発事業も投資対象になりうると述べ、「巨大な事業だが、日本が参加すればLNG受給権を得てエネルギー自立が可能になる」と説明した。日経によれば、ラトニック長官は5,500億ドルの半分程度が電力事業やエネルギー開発に投入される可能性があると語ったという。
また、対米投資を検討する日本の民間企業の懸念事項である就労ビザ問題にも触れた。先月、米移民・関税執行局(ICE)がジョージア州の韓国・現代自動車グループとLGエネルギーソリューションの工場を捜査する際、ビザ未取得を理由に316人の韓国人が拘束された事件以降、米国でのビザ取得が韓国でも大きな問題になっている。
ラトニック長官は「工場建設及び米国人研修のために渡米を希望する従業員の名簿を受け取り、商務省がビザを発給する」と述べた。これに対し日経は、ビザ発給は本来国務省の管轄であるにもかかわらず、商務省が関与することは事実上のビザ発給規制の緩和を意味すると付け加えた。なお、韓国でも同様の解決策が期待できる。
さらに、日本に対する半導体や医薬品などの品目関税は15%に維持すると述べた。トランプ政権は、相互関税とは別に半導体、医薬品、鉄鋼、アルミニウムなどの品目に対して別途関税を課している。日経は、日本が米国から半導体や医薬品に関する最恵国待遇の約束を得たものの、それが明文化されていないため不安材料になっていると伝えている。
















コメント0