
中国は米国との首脳会談を控え、核兵器を搭載可能な戦略爆撃機を台湾周辺へ展開し、訓練を実施した。こうした動きの背景に注目が集まっている。
27日(現地時間)、ロイター通信などの報道によると前日に中国のH6K爆撃機編隊が台湾島周辺の海域で模擬戦闘訓練を行ったという。
中国国営CCTVの軍事チャンネルもウェイボーに投稿し、東部戦区所属部隊が「空中封鎖や精密打撃といった分野で能力を試すため、戦闘志向の訓練を実施した」と伝えた。ただし、訓練の正確な位置や実施日については明示されておらず、中国国防部や台湾国防部からのコメントは出ていない。

これまで中国は頻繁に台湾周辺の空域や海域へ戦闘機や軍艦を派遣し、軍事力を誇示してきた。今回は30日に韓国・釜山(プサン)で予定されるドナルド・トランプ米大統領と習近平中国国家主席の首脳会談を目前に控えている点が注目される。
トランプ大統領は就任当初から中国の台湾への軍事行動に反対する一方で、対中貿易交渉において台湾問題をカードの一つとして扱う姿勢を示してきた。今回の首脳会談でも台湾問題が議題に上る見込みであり、中国側は米国に対し「台湾独立反対」を公式に表明するよう求めている。24日、トランプ大統領は「習主席と話し合うべきことが山積みだ。台湾問題も議題の一つになるだろう」と述べていた。
なお、H6Kは中国人民解放軍空軍の長距離戦略爆撃機で、従来型のH6爆撃機を大幅に改良した最新型機である。1950年代に開発された旧ソ連のツポレフTu16を基に製作されたH6Kは、特に核兵器の搭載が可能であり、中国空軍の長距離打撃能力と戦略的抑止力を強化する役割を果たしている。















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