米上院、ブラジル関税「無効化」決議案を採択
共和党議員5名が民主党提案に賛成
下院通過は困難 、トランプ大統領が拒否の可能性

米上院は28日(現地時間)、ドナルド・トランプ米大統領がブラジルに課した関税を終了させる決議案を採択したとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。
決議案は、5名の共和党上院議員と47名の民主党上院議員全員が賛成し、52対48で可決した。内容は、トランプ大統領が国家非常権限法に基づきブラジル産製品に課した関税を終了させるものであると説明された。
上院は今週後半、カナダ産製品に対する35%の関税および他国の輸入品に対する10%~50%の関税を阻止する類似の決議案を検討する予定だ。
ブラジルの関税終了決議案は、ティム・ケイン民主党上院議員が主導し提案し、これに賛成した共和党上院議員はリーサ・マーカウスキー、スーザン・コリンズ、ランド・ポール、ミッチ・マコーネル、トム・ティリスなどである。
ケイン上院議員は「関税は米国消費者に課される税金だ」と述べ、コーヒーや牛肉の価格高騰を指摘した。
上院投票を主宰したJ・D・ヴァンス副大統領は、共和党上院議員の離反を防ぐために努力したが、失敗に終わった。
ブラジルの決議案は下院に送られるが、下院共和党指導部は、来年3月まで関税関連の議案が本会議で投票されるのを阻止するため、手続き規則を強化している。
トランプ大統領は、ブラジル政府がジャイル・ボルソナロ前大統領を起訴したことへの報復として、国家非常事態を宣言し、関税を課した経緯がある。
上院決議案は、共和党が掌握する下院での可決が困難であり、議会を通過してもトランプ大統領が拒否権を行使する可能性があるため、象徴的な措置に留まる可能性が高い。
なお、米国国際貿易裁判所は非常権限法に基づく関税が違法であると判決しており、トランプ政権は控訴。連邦最高裁判所がその合法性を審理する予定であると報告されている。
















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