ロシア・ウクライナ、冬を前に「エネルギー全面戦」激化 両国でドローン攻勢拡大
ロシア「モスクワを狙ったドローン100機を撃墜」 ウクライナ「クリミアの石油貯蔵所を攻撃」
ロシア、夜間に126機のドローンでウクライナを攻撃 民間人も負傷

冬の訪れを前に、ロシアとウクライナのエネルギー施設を狙った空爆戦が一段と激しさを増している。
ロシア国防省は29日(現地時間)、「昨夜、防空システムが13地域でウクライナの無人機(ドローン)計100機を撃墜した」と発表した。
このうち6機はモスクワ州上空で破壊され、うち4機は首都モスクワを目標として飛行していたという。
ロシア航空庁は「安全確保のため、モスクワ近郊の4空港のうち3か所を一時閉鎖した」と明らかにした。
ウクライナ側は3日連続でモスクワに対しドローン攻撃を実施し、ロシア国防省も27~28日、モスクワ州上空で計35機を撃墜したと発表している。
国防省によると、同日夜にはウリヤノフスク州で4機、クリミア共和国とマリ・エル共和国でそれぞれ3機、スタヴロポリ地方で2機のドローンを破壊した。各地域当局は、エネルギーや産業施設が攻撃を受けたと報告している。
ロシアが任命したクリミア共和国政府のセルゲイ・アクショーノフ首班は通信アプリ「テレグラム」で「燃料・潤滑油の貯蔵コンテナが攻撃を受け火災が発生したが、けが人はいない」と説明した。
ウクライナ治安当局の関係者はロイター通信に対し「今回の攻撃は、クリミア半島シンフェロポリ市とフヴァルディイスケ村の石油貯蔵施設2か所を標的にしたものだった」と述べた。
マリ・エル共和国当局も「産業施設がウクライナのドローン攻撃を受けた」と発表し、隣接するウリヤノフスク州では、攻撃現場で火災が発生したとアレクセイ・ルースキフ州知事が報告した。
また、スタヴロポリ地方のウラジーミル・ブラディミロフ知事も「ブジョンノフスクの産業地区に対する攻撃の試みがあった」と明らかにした。
ロイター通信は複数のニュースチャンネルやウクライナの報道を引用し、「ウクライナ軍がウリヤノフスク州の石油施設と、ブジョンノフスクにあるルクオイル傘下のスタブロレン化学工場を攻撃した」と伝えた。
一方、ロシア軍も冬を前にウクライナの主要エネルギーインフラへの攻撃を強化している。
ウクライナや西側諸国の間では、「今冬がウクライナのエネルギー安全保障にとって最大の正念場になる」との見方が強まっている。キーウやスーミなど主要都市が深刻な暖房不足に直面する恐れもある。
タス通信によると、ロシア軍は7月以降、ドニプロペトロウシク州で21の人口密集地を掌握したという。ウクライナ空軍は「ロシア軍は最近も戦闘用ドローン126機を投入したが、そのうち93機を撃墜または無力化した」と発表した。
ウクライナ南部ヘルソン州当局は、「ロシア軍の医療施設攻撃で民間人3人と子ども1人が負傷し、建物も大きく損壊した」と報告。ハルキウ州でもロシア軍の攻撃により4人がけがをしたという。
ウクライナ側も攻勢を続けている。フランス紙ル・モンドによれば、ウクライナ国防省情報総局は26日未明、ザポリージャ州内のロシア占領地域チェルニヒウカ~ストゥルネベ区間のトクマク付近で鉄道を爆破する秘密作戦を実行した。
同総局は29日、「軍事装備を積んだロシアの列車が脱線し、約70メートルにわたって線路が損傷、運行が全面停止した」と発表した。















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