CBS看板番組『60ミニッツ』に5年ぶり出演
「中国とロシアも実験しているが、公表していないだけ」

ドナルド・トランプ米大統領は2日(現地時間)に公開された米CBSテレビのインタビューで「中国、ロシア、北朝鮮はすべて核実験を行っている」と述べ、アメリカも地球を150回以上破壊できる規模の核兵器を保有している以上、その機能を確認するための核実験が必要だと主張した。
トランプ大統領は「北朝鮮は絶えず実験をしており、他国も試験を行っている。米国だけが性能試験をしない国になりたくはない」と述べた。
北朝鮮を除き、中国とロシアは公式には核実験を公表していないが、トランプ大統領は「中国とロシアとも実験をしているが、自由な報道がないため外部に知られていないだけだ」「単に皆が事実を知らないだけ」「我々のように開かれた社会ではない」と語った。
トランプ大統領は最近、米国が1992年以来33年ぶりとなる核実験の再開を命じた。
台湾問題については、先月30日に中国の習近平国家主席と会談した際には言及しなかったとしつつも「自分の任期中に中国が台湾へ侵攻する可能性はない」との見方を示した。有事の際は台湾を支援するかとの質問には「起こるかどうかわからない事態について、具に語るような人間にはなりたくない」と述べ、明言を避けた。
また、習主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領のどちらが交渉相手として難しいかを問われると「両者とも賢明で真剣、そしてタフな人物だ」と答えた。
8月のアラスカ会談でプーチン大統領に「レッドカーペットを敷いた」との批判については「愚かなバイデン大統領から引き継いだ問題にすぎない」と反論し「私は8つの戦争を終わらせた」と強調した。
麻薬撲滅を目的としたベネズエラへの地上攻撃の可能性については「戦争は考えていない」としながらも「ニコラス・マドゥロ大統領が権力の座にとどまる時間はもう長くない」と語った。
1カ月以上続く連邦政府のシャットダウンを終結させるための暫定予算案をめぐっては、公的医療保険制度「オバマケア」の修正が争点となっている。
トランプ大統領は「民主党が予算案に賛成するなら、問題を是正するために動くだろう」と述べた一方で、閉鎖の責任は民主党にあると主張し、チャック・シューマー民主党上院院内総務を「日本の神風特攻隊のようだ」と批判した。また「議事妨害(フィリバスター)を終わらせる核オプションを選択すべきだ」と述べた。
さらに、米国の不法移民の取り締まりを担う移民税関捜査局(ICE)の対応については「もっと厳しく取り締まるべきだ」としたうえで「アメリカに来るべきでない人は約2,500万人もいる。我々は都市を浄化している」と発言した。

トランプ大統領は自身の政敵であるジョン・ボルトン前国家安全保障問題担当大統領補佐官、ジェームズ・コミー前連邦捜査局(FBI)長官、レティシア・ジェームズ・ニューヨーク州司法長官らが次々に起訴されたことについては「私は起訴されたが、すべてのナンセンスを跳ね返してここにいる」と述べ「彼らは不正で不誠実な人物ばかりで、起訴されたことは驚くべきことではない。私は何の関与も指示もしていない」と主張した。
また、バイナンス共同創業者のチャンポン・ジャオ氏を恩赦したことについては「彼が誰なのかも知らない。何も関わっていない」とし「バイデン元大統領による『魔女狩り』だったと聞いた」と述べた。
バイナンスは、トランプ大統領の家族が関与する仮想通貨企業「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」と密接な関係を持つが、トランプ大統領は「息子たちがこの業界で活躍していることを誇りに思う」と語った。
また、4日に行われるニューヨーク市長選の有力候補ゾーラン・マムダニ氏については「彼は社会主義者ではなく共産主義者だ」と批判した。マムダニ氏を「進歩陣営のトランプ」と呼ぶ声があることに対しては「私のほうがずっとハンサムだ」と冗談を交えつつ「マムダニ氏が当選すれば、米大統領としてニューヨークに資金を出すのは難しくなるだろう」と述べた。
さらに、もう一人の候補アンドリュー・クオモ前ニューヨーク州知事についても「好感が持てない」と語り、「今回の選挙は悪い民主党員と共産主義者の争いだ」と言い切った。
一方、連邦最高裁が今週、トランプ政権時代に導入された「関税戦争」の合法性をめぐる訴訟の初審理に入る予定であることについては「政府が敗訴すれば米国は計り知れない打撃を受け、地獄を見ることになる」と述べ「関税のおかげで株式市場は過去最高値を記録している」と強調した。
トランプ大統領は2028年大統領選で憲法が禁じる3選に挑むのかという質問には「多くの人が私に出馬してほしいと言っているが、今は考えていない」と答えた。
一方で、後継候補を問われると「JDバンス副大統領もマルコ・ルビオ国務長官も好きだ。民主党と違い、我々の陣営には優れた人物が多い」と語った。
トランプ大統領は残り任期3年間で達成したいことを問われると「この9カ月間は歴史上最高の時期だった。この勢いを維持できるなら非常に幸せだ」と述べた。
この日のインタビューは10月31日にフロリダ州マール・ア・ラーゴで収録されたもので、トランプ大統領がCBSの看板番組『60ミニッツ』に出演するのは5年ぶりとなる。
トランプ大統領は昨年11月の大統領選を前に、『60ミニッツ』が民主党のカマラ・ハリス前副大統領に有利な内容に編集して放送したとして、親会社のパラマウントを相手取り200億ドル(約3兆813億5,570万円)の損害賠償を求める訴訟を起こし、和解金1,600万ドル(約24億6,510万2,100円)を受け取っている。
トランプ大統領はインタビュー前、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に「カマラへの接し方同様、私にも優しくしてほしい」や「放送を楽しんでほしい」と投稿した。














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