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「関税で脅してたくせに…」米、今度は中国のレアアース規制に“同盟結集”を呼びかけ

望月博樹 アクセス  

引用:ホワイトハウス
引用:ホワイトハウス

スコット・ベサント米財務長官は2日(現地時間)、「我々は中国とディカップル(経済的断絶)するつもりはないが、ディリスク(リスク低減)は必要だ」と述べ、中国のレアアース(希土類)など重要鉱物の輸出規制に対抗する供給網の再構築が不可欠だと強調した。

ベサント氏は同日、CNNの番組に出演し、「中国はこの(レアアース輸出規制)計画を25~30年かけて準備してきたが、米国はその間、事実上手をこまねいていた」と指摘した。その上で「しかし今、我々の政権は今後1~2年で『ワープスピード』で動き、中国が我々と世界全体に突きつけてきた刃の脅威から脱しようとしている」と述べた。

また、先月30日に韓国で行われた米中首脳会談での合意について、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が「貿易戦争が本格化する前の5月時点の関係に戻っただけだ」と評したことに対し、「あまりに楽観的な見方だ」と反論した。

ベサント氏は「私が文句ばかり言う老人たちと呼ぶWSJの論説委員室が、中国がレアアース制限を持ち出さないと考えるのは甘い」と述べた。

トランプ大統領は先月30日、韓国・金海空港で習近平中国国家主席と会談後、中国がレアアース輸出規制を1年間猶予することで合意したと発表した。この合意は、中国の綿密な計画に基づく輸出制限を一時停止させた、一定の成果だと受け止められている。

ベサント氏は「今回の件は米国対中国という構図ではなく、中国対世界だった」とし、「中国が輸出制限を世界全体に適用したことで、各国が反発した。自由世界の指導者であるトランプ大統領が、世界を代表して対抗した」と主張した。

さらに「今回は同盟諸国を結集させた。西側やアジアの民主主義国家、インドなどが、われわれの供給網再編の取り組みに参加するだろう」と語った。

ベサント氏はまた、「世界最強の軍事力、最大の経済規模、基軸通貨ドル、そして革新と技術――これらすべてが米国の力の源泉だ」と述べ、「トランプ大統領と習主席の会談で得られた成果は、米国により強力な交渉の手札を与えた」と強調した。米国が持つ実力によって、より有利な立場を築けたとする見方だ。

今月5日に初公判が予定されている国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく相互関税やフェンタニル関税の違法性を問う最終審に関しては、「これが国家非常事態でないなら、何が非常事態なのか」と述べ、勝訴への自信を示した。

また、バラク・オバマ前大統領が前日、バージニア州ノーフォークでの州知事選応援演説で、トランプ大統領が連邦政府のシャットダウン(政府機能停止)による食費補助(SNAP)中断への対応よりも、ホワイトハウスの宴会場整備やローズガーデンの装飾に熱中していると皮肉ったことについて、ベサント氏は「民主党が予算案に賛成して政府を再開させるべきだ」と反論した。

さらに「オバマ前大統領は歴代大統領の中で最も多くゴルフをした人物だ。なぜ他人を非難するのか理解できない」と述べ、週末にゴルフを楽しむトランプ大統領を批判する資格はないと切り返した。

カナダへの追加関税(10%)に関しては、「まだ発動されていない。大統領は『警告』しただけだ」と説明した。

トランプ政権は、カナダ・オンタリオ州がロナルド・レーガン元大統領の発言を引用し、関税政策に否定的な内容の広告を放送したことについて、「最終審判決に影響を与えようとする意図がある」と反発している。

ベサント氏は「様子を見守る。カナダ政府は大きな過ちを犯した」と述べ、「オンタリオ州首相は恥じるべきだ。おそらく昨夜(ワールドシリーズで)ブルージェイズが敗れたことに、まだ腹を立てているのだろう」と皮肉った。

なお、前日にカナダ・トロントで行われた米ワールドシリーズ最終第7戦では、ロサンゼルス・ドジャースがトロント・ブルージェイズを延長戦の末に5対4で下し、2年連続の優勝を果たした。トロントはオンタリオ州の州都である。

ベサント氏はこの日、FOXニュース・サンデーのインタビューでも「中国はレアアース市場を独占してきた。彼らがしばしば信頼できないパートナーであることは明らかだ」と述べ、ディリスキング(リスク低減)の必要性を改めて強調した。

望月博樹
editor@kangnamtimes.com

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