民主党「トランプ大統領は国民を顧みない」と批判
米政府、史上最長のシャットダウン目前に
米連邦政府の一部業務停止(シャットダウン)で低所得層への食料補助金が支給停止寸前となる中、ドナルド・トランプ大統領が小説『華麗なるギャツビー』をテーマにしたハロウィンパーティーを開き、波紋を呼んでいる。
聯合ニュースが2日、米ABCなどの報道を引用して伝えたところによると、トランプ大統領はハロウィン当日の10月31日、フロリダ州のマール・ア・ラーゴ・リゾートでパーティーを開催した。この日には、娘のイヴァンカ氏とティファニー氏、娘婿のジャレッド・クシュナー氏、さらにマルコ・ルビオ国務長官らが出席していたという。

当日はちょうど、連邦政府のシャットダウンにより低所得層の食料購入費を補助する「補助的栄養支援プログラム(SNAP)」の給付が停止される直前でもあった。米農務省は資金の枯渇を理由に、約4,200万人が受給しているSNAPの支給を11月1日付で停止すると事前に発表していた。
そのような状況で開かれたパーティーのテーマが、さらに批判を招いた。この日のテーマは「A Little Party Never Killed Nobody(ちょっとしたパーティーで誰も死なない)」で、F・スコット・フィッツジェラルドの1925年の小説『華麗なるギャツビー』をもとに、2013年にバズ・ラーマン監督が映画化した際のサウンドトラックのタイトルから取られたものだ。
『華麗なるギャツビー』は1920年代の「ジャズ・エイジ」におけるアメリカ社会の富と階級の分断を描いた名作として知られる。経済的繁栄と自由な社会風潮のもとで享楽と贅沢が広がった時代を背景にしており、やがて大恐慌の到来とともに終焉を迎えた。公開されたパーティーの写真では、華やかな衣装に身を包んだ参加者たちが写っており、羽飾りやフラッパー風ドレスといった当時のスタイルも目を引いた。
こうした行動に対し、民主党を中心に批判が殺到した。民主党全国委員会(DNC)のケン・マーティン委員長は、「トランプ大統領はシャットダウンによって補助金を受けられなくなる可能性のある米国民を顧みていない」と指摘し、「トランプは自分と裕福な友人以外には関心がないことを明確にした」と非難した。
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事もSNSで、「トランプは4,200万人のSNAP給付が途絶える中で『華麗なるギャツビー』パーティーを開いた」と投稿し、「彼は国民のことなど少しも気にしていない」と強く批判した。さらに民主党のクリス・マーフィー上院議員もX(旧ツイッター)にパーティー写真を投稿し、「トランプが国民に対して非人間的な一面を見せるやり方には、いつも驚かされる」と皮肉った。
一方で、ホワイトハウスのアンナ・ケリー報道官は1日の声明で、「民主党の主張は的外れだ」と反論し、「トランプ大統領は政府を再開するための正しい行動を取るよう一貫して求めており、民主党はいつでもそれに応じることができる」と述べた。
低所得層4,200万人が受給する食料補助も停止
一方、米連邦政府の部分的なシャットダウンは、史上最長の更新を目前にしている。最大の懸念は、低所得層約4,200万人が受給していた食料補助金の支給停止だ。米農務省は1日からSNAPの支給を停止した。米議会が予算案を可決できず、資金が尽きたためである。

1964年に制度が導入されて以来、SNAPの支給停止は初めての事態だ。当初は実物クーポンで支給され「フードスタンプ」と呼ばれていたが、現在は電子カード(EBT)方式に移行している。米国民の約8人に1人がこの制度の恩恵を受けており、シャットダウンをめぐるトランプ政権の強硬姿勢と与野党の対立により、毎月約100億ドル(約1兆5,400億円、1人当たり約約4万5,000円)の給付が途絶えた。
ただ、SNAPの全面中断には司法が介入した。連邦裁判所がトランプ政権に対し、停止前に緊急基金46億5,000万ドル(約7,160億円)を活用するよう命じたため、政権は今月分の一部支給を継続する方針を決めた。とはいえ、11月分の給付には約90億ドル(約1兆3,900億円)が必要と見込まれており、今後のSNAP支給がシャットダウンの行方を左右するとみられる。













コメント0