女性初の首相に「土俵の女人禁制」再燃
協会は伝統理由に事実上拒否

大相撲の長年の慣習「土俵の女人禁制」が、女性首相時代の到来を受けて再び議論の的となっている。大相撲は保守的な競技として知られ、女性の土俵立ち入りはもちろん、靴を履いたままの入場も厳しく禁じられている。
3日、『朝日新聞』によると、日本相撲協会は「高市早苗首相が自ら総理杯を授与したいと希望した場合、土俵入りを認める考えはあるか」との質問に対し、「大相撲の伝統文化を継承することが我々の使命だ」と述べ、事実上、容認しない姿勢を示した。
総理杯の授与は通常、内閣官房長官など政府関係者が代理で行う。ただし、小泉純一郎氏、安倍晋三氏、石破茂氏など一部の首相は自ら会場を訪れ、土俵上で表彰を行った。したがって、高市首相が直接授与を望めば、女性首相として初めて土俵に上がる、前例のない事態となる。
女人禁制をめぐる議論は1990年代から繰り返されてきた。1990年、女性として初の官房長官を務めた森山真弓氏が首相代理として表彰を申し出た際、相撲協会はこれを拒否。当時の協会幹部は「こういう社会も一つぐらいあってよい」と発言し、強い批判を浴びた。
2000年には、日本初の女性知事となった太田房江大阪府知事が大阪場所での表彰を求めたが、女性であることを理由に拒否された。
2018年の京都・舞鶴場所では、土俵上で倒れた男性市長を救助しようと女性看護師が土俵に上がった際、行司が「女性は土俵から降りてください」と呼びかける様子が放送され、全国的な批判を招いた。さらに先月、東京・両国国技館で行われた元大関貴景勝の断髪式でも、小池百合子東京都知事は男性来賓とは異なり、土俵に上がることを許されなかった。
一方で、専門家の間では「高市首相が自ら土俵入りを求める可能性は高くない」との見方が強い。日本大学・文理学部教育学科の末冨芳教授は『朝日新聞』の取材に対し、「高市首相は女性差別論争が拡大する事態を避けるため、あえて土俵に上がる選択を取らない可能性が大きい」と指摘した。













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