ドイツのフリードリヒ・メルツ首相が、シリア難民の本国送還の可能性に言及した。シリア内戦を逃れてドイツに移住した難民に対し、追放命令が下される見通しである。現在、ドイツにはおよそ100万人のシリア人が居住しているとされる。
4日、聯合ニュースがARD放送の報道を引用して伝えたところによると、メルツ首相は「シリア内戦は終わった」と述べ、ドイツに滞在するシリア難民を本国へ大規模に送還する方針を示唆した。

メルツ首相はこの日、ドイツ北部の小都市フーズムを訪れた際に、「ドイツにいるシリア難民は、もはや亡命を求める理由がない。祖国へ帰るべきだ」と発言した。さらに、「帰国を拒否する者は当然ながら追放の対象となる可能性がある」と警告した上で、アフマド・アッ=シャラア暫定大統領を招き、犯罪者の送還問題について優先的に協議する考えを明らかにした。
ドイツは欧州で主要な難民受け入れ国の一つとされる。シリア難民を大規模に受け入れたのは2015~2016年で、当時はキリスト教民主同盟(CDU)とキリスト教社会同盟(CSU)の連立政権を率いたアンゲラ・メルケル首相が決断を下した。メルケル首相は「私たちはやり遂げられる(Wir schaffen das)」というスローガンを掲げ、寛容な難民政策を推進したことで知られている。
現在、ドイツに居住するシリア国籍者は約95万5,000人で、その大半が内戦を逃れて移住した人々である。昨年12月の内戦終結を経て、今年5月に移民強硬策を掲げるメルツ政権が発足して以降、帰国を促す動きが強まっている。しかし、今年8月までに新たに亡命を申請したシリア人は1万7,650人に上る一方、実際に帰国した難民は1,867人にとどまっている。
一方、シリアでは2011年、当時のバッシャール・アル=アサド大統領(60)に反対する大規模な武力デモを機に内戦が勃発した。アッ=シャラア暫定大統領は、かつてアサド政権に対抗する武装闘争を率いた反政府勢力の指導者である。















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