米日、AIドローン共同開発プロジェクト「SAMURAI」始動
北朝鮮・中国・ロシアの連携に対抗し、AIドローンを共同開発

米国と日本が、AI機能を搭載した先進無人機(ドローン)の共同開発に乗り出す。両国の協力で量産されるAI無人機は、他の自由主義陣営の国々との共同作戦にも投入され、中国・ロシア・北朝鮮の軍事連携に対抗する中核戦力として活用される見通しだ。米国防総省と日本の防衛省はこのほど、AI無人機共同開発プロジェクト「SAMURAI」の始動を正式に発表した。
このプロジェクトの正式名称は「Strategic Advancement of Mutual Runtime Assurance Artificial Intelligence(戦略的相互ランタイム保証人工知能構想)」で、頭文字を取ると「SAMURAI」となる。日本の武士「侍」と同じ発音であり、強固な同盟関係を世界に印象づける意図が込められている。
「SAMURAI」プロジェクトの発足に伴い、米空軍・宇宙軍および航空自衛隊などに所属するAI無人機専門人員による共同協議体が新設される見通しである。最終目標は、AIが自律的に目標物を識別し、飛行および攻撃まで行う先進無人機の実用化にある。開発された無人機は、危険地域での偵察や単独作戦に加え、有人戦闘機を護衛する「ロイヤル・ウィングマン(忠実な僚機)」としても運用される予定である。
米空軍は声明で「SAMURAIプロジェクトを通じて開発される次世代AI無人機は、作戦の安全性と相互運用性を高め、日米同盟をさらに強固にする」と強調した。
日本の防衛産業専門メディア「NSBT Japan」で活動する軍事アナリストのジョン・ジェイコブス氏も、「SAMURAIプロジェクトで生まれる無人機は、有人機との連携を含む多様な任務に投入され、両国の空軍力強化に寄与する『ロイヤル・ウィングマン』となる」と分析している。
開発陣は、次世代技術「ランタイム保証(Runtime Assurance・RTA)」の実用化に注力している。
RTAとは、無人機の状態をリアルタイムで監視し、予期せぬトラブルや誤作動が発生した際、AIによる主制御装置から安全な制御系統へ自動的に切り替える技術である。これにより、極めて危険な状況でも任務を継続できる。
プロジェクトが順調に進めば、AIによる自律飛行型ドローンが北朝鮮・中国・ロシアの軍事的結束に対抗する「自由陣営の矛」となる可能性が高いと見られている。
米軍事専門誌「インド太平洋ディフェンス・フォーラム」は、「日本はすでに英・伊両国と次世代戦闘機の共同開発を進めており、SAMURAI無人機もその三国共同開発機との連携を視野に入れている」と報じた。さらに同誌は「RTAを搭載した無人機は、北朝鮮のミサイル発射に関する情報提供や、尖閣諸島をめぐる中国の行動への対応など、多様な任務を担うことができる」と評価した。
2019年には米空軍と航空自衛隊が共同訓練「武士道ガーディアン」を創設し、昨年の訓練にはオーストラリアも加わり、三か国合同演習として実施された。
また、陸上自衛隊と米陸軍は1982年から年次大規模訓練「ヤマサクラ」を行っており、現在では米・日・豪の三国合同演習として拡大している。訓練名は、日本の山野に咲く野生の桜「ヤマザクラ(山桜)」に由来する。
毎年発表される「ヤマサクラ」のロゴには、鎧をまとった侍の姿が描かれることもある。サムライという日本の象徴性や、武士文化への西側社会の関心が複合的に作用し、このような軍事訓練やプロジェクト名が生まれていると分析されている。


















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