
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は5日(現地時間)、外務省や国防省、特殊部隊、関連民間機関に対し、核実験再開に向けた提案を作成するよう指示した。
ロシアの国営通信社『タス通信』によると、プーチン大統領は同日開かれた国家安全保障会議で、ドナルド・トランプ米大統領が表明した核実験再開方針を「極めて深刻な問題だ」と指摘したという。
プーチン大統領は、「ロシアはこれまで包括的核実験禁止条約(CTBT)の義務を誠実に履行してきた」と強調したうえで、「米国や他の核保有国が核実験を再開するのであれば、ロシアも同様に対応する」と警告した。
これに関し、ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、「今回の指示は核実験再開の是非を検討するためのものであり、直ちに準備に入るという命令ではない」と説明した。
また、アンドレイ・ベロウソフ国防相は会合で、「最近の米国の発言と動向を踏まえると、ロシアは全面的な核実験に即応できる態勢を整える必要がある」と述べた。『ロイター通信』によれば、同相はロシア北部ノヴァヤゼムリャ諸島にある北極圏試験場で、短期間のうちに核実験を実施することが可能だと説明したという。
一方、トランプ大統領は先月30日、SNS「トゥルース・ソーシャル」で、「他国の核実験計画に対抗するため、米国も対等な条件で核兵器実験を開始するよう国防総省に指示した」と明らかにしていた。
プーチン氏は先月29日、核兵器搭載型の原子力魚雷「ポセイドン」の試験成功に言及し、「この兵器を迎撃できる手段は存在しない」と強調するなど、核戦力を誇示していた。さらに今月1日には「ポセイドン」搭載が可能な原子力潜水艦「ハバロフスク」の進水を発表。翌日にトランプ氏が核実験再開方針を示すと、ロシア側は「いずれの国であれ核実験を再開すれば、ロシアも対抗措置を講じる」と警告していた。


















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