
自衛隊は以前には実施していなかった台湾近くの海域と空域で訓練を拡大し、中国に自国の対応能力を誇示する「柔軟に選択される抑止措置(FDO)」戦略を強化していると朝日新聞が6日に報じた。同メディアによると、海上自衛隊の護衛艦「さわぎり」と掃海母艦「うらが」は先月の3日、沖縄県先島諸島南側、台湾に近い公海上で機雷戦訓練を実施したという。
防衛省の関係者は「この海域で機雷戦訓練を行ったのはおそらく初めてだろう」と述べた。今回の訓練は熟練度向上のための定例訓練ではなく、機雷設置手順を点検するレベルで中国に抑止メッセージを送るための目的だった。防衛省の幹部は「実戦性は不足しているが、FDOの一環として中国に見せるための訓練だった」と明らかにした。FDOは軍事的対応能力を意図的に見せることによって相手の行動を抑制する概念だ。1996年の第三次台湾海峡危機の際に米国が空母2隻を派兵して中国を牽制したことに由来する。日本は2015年に日米防衛協力のための指針にこれを初めて反映し、国家防衛戦略に「相手の行動に影響を与えるための持続的な示威活動」として明記した。
防衛省内部では約1年前から、この訓練を検討してきた。前統合幕僚長である吉田圭秀氏は内部会議でこの海域を「台湾有事の際の『天王山』になる戦略要衝地」と呼び、中国艦船の接近を遮断する核心地域として指名したとされる。自衛隊の「見せる運用」は最近目立って増えていると朝日は伝えた。6月、中国空母「遼寧」と「山東」が日本周辺の太平洋上に同時展開した直後、自衛隊は尖閣諸島(中国名:釣魚島)近くの日本の排他的経済水域(EEZ)内で多数の戦闘機が参加した対応訓練を実施した。中国軍用機が昨年日本の領空を侵犯したため、自衛隊は翌月、オーストラリア海軍と共に初めて台湾海峡を通過し、今年に入ってから単独航行を続けているのも同じ文脈だ。
ただし、政府の関係者は「中国領海に近い任務が増えるにつれ、小さなミスも致命的になり得る」とし、緊張高揚の可能性に懸念を示した。
















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