
外国人観光客を対象とした女性の売買春が増加し、いわゆる「セックスツーリズム(買春ツアー)」が社会問題として指摘される中、高市早苗首相は6日の参院本会議で「売買春の根絶に向けた取り組みを進めていく」と述べた。
9日、『産経新聞』などによると、高市首相は参院本会議で、野党議員からの関連質問に対し、「女性と日本の尊厳を守るためとの話、大変重い指摘だ」と語った。
この問題を取り上げた立憲民主党の塩村文夏議員は、「海外メディアから『日本は新しいセックスツーリズム国』と報じられ、『日本は女性の尊厳を守らない国』とのイメージが国際的に広がりつつある」と述べた。また、「性を売らざるを得ない女性だけが検挙される構造がある。外国人男性にとっては安心して買春できる国と認識されている」と指摘し、「女性の人権侵害に加え、犯罪資金の拠点とみなされれば国際的信用を失う」と対策強化を求めた。
これに対し、高市首相は「社会情勢などを踏まえた売買春にかかる規制のあり方を検討していく」と述べ、「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)が売買春を資金源とすることも防がねばならない。売買春の根絶とトクリュウの撲滅に向け、取り組みを進める」と強調した。
コロナ禍後の円安や経済格差の拡大などを背景に、最近外国人旅行者を相手とした路上での売買春が増加しているとされる。海外報道の中には、中国人旅行者を中心とする「性目的観光地」化を指摘する論調もみられる。
青少年を守る父母の連絡協議会の田中芳秀事務局長は、「公園などに日没前から若い女性が立ち始める状況があり、公共空間が売春の場と化している」と深刻な実態を語った。

一方、10月には女性に売春を強要したとして、ガールズバーの店長らが逮捕される事件も発生した。
『日テレNEWS NNN』などによると、警視庁保安課は、東京都豊島区池袋のガールズバー店長・鈴木麻央耶被告(39)とマネジャーの田野和彩被告(21)を、売春防止法違反の疑いで逮捕した。
鈴木被告らは今年5月から7月にかけて、店内で寝泊まりさせていた当時27歳の女性に対し、暴言や暴行を加えながら売春を強要した疑いが持たれている。鈴木被告は容疑を否認しているが、田野被告は認めているという。
女性は昨年9月に店で働き始めたが、翌月頃から鈴木被告は「容姿が悪く売上が上がらない」などと暴言を浴びせ、シャンパンボトルやハンガーで殴る、辛味調味料を無理やり口に入れるといった虐待を繰り返していたとされる。
今年3月には、女性が約400人の客を相手に売春させられていたとみられる。さらに鈴木被告らは女性にカード型のGPS機器を携帯させ、新宿区・大久保公園周辺での売春行為を指示。女性が離れた場合には捜索して連れ戻し、暴行を加えていたという。
事件が明らかになったのは、女性が7月に大久保公園周辺で客引きをしていたところを、売春防止法違反の疑いで現行犯逮捕されたことがきっかけだった。その後の聴取で被害が判明し、女性については被害者と認定され、検察は起訴猶予処分とした。
















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