
ドナルド・トランプ米大統領が関税政策の正当性を強調し「すべての国民に最低2,000ドル(約30万8,058円)を支給する」と発言した。
トランプ大統領は9日(現地時間)、トゥルース・ソーシャルに「関税に反対する者は愚か者だ」と投稿し、さらに「我々は今、世界で最も豊かで、最も尊敬される国だ。インフレはほとんどなく、株式市場は史上最高水準にある」と主張した。
続けて「我々は数兆ドルを徴収しており、まもなく37兆ドル(約5,697兆2,962億円)の膨大な国債を返済し始める」と述べ「アメリカ全土で工場が建設されており、高所得層を除くすべての国民に最低2,000ドルの『配当金』が支給される」と付け加えた。
トランプ大統領のこうした発言は、今年5月に連邦最高裁がトランプ政権の「相互関税」の合法性をめぐる最終審の口頭弁論を実施する中で出たものである。
事実上、関税政策が違法だとする主張に対抗するための世論戦とみられている。

トランプ大統領は「2,000ドルの配当金支給」発言の後にも、連邦最高裁判所を名指しで批判する投稿を行った。
「企業がアメリカに殺到しているのは、関税のおかげだ。アメリカ最高裁判所はその事実を知らないのか。 一体何が起きているのか」と反発した。さらに「アメリカ大統領は外国との貿易をすべて停止する権限を持つ。それは単に関税を課すよりもはるかに強力な措置だ。なのに大統領が国家安全保障を理由に外国に関税すら課せないというのは、全く理にかなっていない」と主張した。
「配当金はさまざまな形で支給可能」… 米財務省がトランプ発言の火消しに
トランプ大統領の「国民に2,000ドル支給」発言を受け、米財務省はすぐに釈明に乗り出した。

スコット・ベッセント米財務長官は同日、ABC番組ジス・ウィークに出演し「高所得者を除き、1人あたり最低2,000ドルの配当を受け取ることができる」と説明した。ただし「2,000ドルは現金ではなく、さまざまな形で支給される可能性がある。例えば、チップや残業手当の優遇、社会保障税の減免、車のローン金利の税額控除など、7月に成立した減税法案に含まれる優遇措置を通じた減税効果の形になることもある」と述べた。
ベッセント長官はまた、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税賦課の正当性を改めて強調し「中国によるフェンタニル流通の取り締まり不備やレアアースの輸出規制は明白な緊急事態であり、トランプ政権が関税を通じて中国を交渉のテーブルに引き戻すことができた」と付け加えた。
トランプ大統領が敗訴した場合の影響
一方、連邦最高裁がトランプ政権の関税を違法と判断した場合、政府が企業に返還すべき関税額は少なくとも1,000億ドル(約15兆3,952億4,700万円)に上る見通しである。
6日、米通商代表部(USTR)のジェイミソン・グリア代表はフォックス・ニュースのインタビューで「最高裁が関税を違法と判断する場合、特定の原告企業には関税が返還されるだろう」と述べ「正確な金額は不明だが、少なくとも1,000億ドルを超え、2,000億ドル(約30兆7,922億4,400万円)未満の範囲になると見られる」と明らかにした。
実際、最高裁判所が関税を違憲と判断すれば、企業は関税を返還請求できる。ただし、関税額が莫大で関係企業の数も多いため、返還手続きは極めて複雑になると予想されている。
保守派のエイミー・コニー・バレット最高裁判事は5日、原告側弁護人への質問の中で「返還手続きが混乱を招く可能性がある」と懸念を示したという。















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