
予算が確定せず、歴代最長となる40日間にわたる一時業務中断(シャットダウン)に陥った米連邦政府が、近く業務を再開する見通しとなった。米与野党の議員らは、まず来年1月まで政府に資金を供給する臨時予算案で合意したと伝えられている。
米『CNN』は9日(現地時間)、関係者の話として、米上院の与野党議員が来年1月30日まで継続する臨時予算案で合意したと報じた。
ドナルド・トランプ大統領もこの日、ホワイトハウスで記者団に対し「シャットダウンは終了に近づいているようだ」と述べた。
今回の合意には、トランプ政権が大量解雇した連邦政府職員を復職させ、今後同様の措置を繰り返さないとの約束も含まれている。また、低所得者向けの補助的栄養支援プログラム(SNAP)の補助金を、2026会計年度(2025年10月1日~2026年9月30日)まで延長する案も盛り込まれた。
米与野党は、2026会計年度の予算案を巡り今年初めから対立を続けており、昨年の予算期限である9月30日までに合意に至らなかった。その結果、米連邦政府は2026年度予算案が確定せず、10月からシャットダウンに突入した。
野党の民主党は来年度予算案に関連して、いわゆる「オバマケア」と呼ばれる医療保険制度改革法(ACA)に基づく公的医療保険の保険料補助金の延長を要求している。前政権下のジョー・バイデン政権が実施した補助金は、今年末で期限切れとなる予定である。
関係者によると、アンガス・キング上院議員(無所属・メイン州)を含む3人の議員が、民主党を代表して共和党と交渉を行ったという。民主党側は、シャットダウンの長期化を受けて一部譲歩し、最大の争点となっていたACA補助金の延長問題を予算案から切り離して処理することを決めた。民主党は、この件を12月に別途採決に付す予定としている。
米メディアの『ザ・ヒル』などは9日、米上院が早ければ同日夕方、あるいは10日午前にも、シャットダウン終了に向けて15回目の臨時予算案の採決を行うと報じた。
共和党は、これまでに14回行われた臨時予算案の採決で数的優位(53席)を持ちながらも、予算案の通過に必要な60票を確保できず、目的を達成できなかった。
『ザ・ヒル』は、民主党議員8~10人が賛成票を投じれば、フィリバスター(合法的な議事進行妨害)が中止され、臨時予算案の通過が可能になると見込んでいる。臨時予算案は上院を通過した後、再び下院での採決を経てトランプ大統領の署名により発効し、実際にシャットダウンが終了するまでには、9日基準で数日かかる見通しである。

















コメント0