低所得層がマクドナルドすら手が出ない水準に…トランプ政権の関税が招いた深刻な負担

アメリカのマクドナルドで、低所得層の客離れが進んでいるという。
ロサンゼルス・タイムズは16日(現地時間)、マクドナルドなどの売上データや延滞率を基に、消費行動の変化を分析した。
消費の二極化に注目が集まるきっかけとなったのは、8月に公表された同社の第2四半期決算だ。売上は68億4,000万ドル(約1兆600億円)と前年同期比5%増となったものの、主力である低所得層の来店は二桁減という急激な落ち込みを示した。
こうした価格上昇の背景には、牛肉の供給難がある。ドナルド・トランプ大統領が今年1月から各国に高率関税を課し始めたことで、牛肉をはじめとする主要農産物の価格が跳ね上がり、飲食各社の仕入れコストが押し上げられた。
一方で、高所得層の利用は低所得層の減少分を補う形で増加し、中間層は小幅な上昇にとどまっている。
問題を深刻化させているのは、マクドナルド商品の値上がり幅の大きさだ。
同社メニューの平均価格は2019年から2024年の5年間で約40%上昇し、ビッグマックの平均価格も4.39ドル(約680円)から5.29ドル(約820円)へと値上げされた。
パンデミック時に世界中へ大量供給された資金が物価を押し上げる中、トランプ大統領の関税政策が追い打ちとなり、値上げ圧力は一段と強まった。
さらに、新型コロナ以降の急速な利上げも低所得層の家計を直撃した。
ハーバード大学住宅研究センターの調査では、2023年時点で賃借人の約半数(2,260万人)が所得の3割以上を住宅費に充てているとされ、2019年から3.2%ポイント悪化した。住宅費負担の増加は、可処分所得を大幅に削った。
2023年、年収3万ドル(約465万円)未満の賃借人の住宅費を除いた残余所得の中央値は月250ドル(約3万9,000円)に過ぎず、2001年と比べて55%も減少している。
高物価と高金利が重なり、低所得層の購買力は大きく後退。一方で、高所得層の消費は堅調さを保っており、この乖離がファストフード業界の「消費二極化」を一段と鮮明にしている。















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