
台湾に潜入した中国のスパイが年々増加しているとの指摘が浮上している。
台湾メディアの自由時報などは18日(現地時間)、「前日、台北地方法院の国家安全特別法廷で許凱傑判事が、中国による台湾浸透の6大手口を明らかにした」と報じた。
台湾で中国本土政策を担う大陸委員会(MAC)によると、中国は軍事機密の流出、組織・社会分断、科学技術機密の窃取、選挙介入、グレーゾーン戦術など6つの手法を用いて台湾社会に浸透しているという。
このうちグレーゾーン戦術とは、武力衝突に発展しない程度の低強度の挑発行為を指している。
大陸委員会は「こうした中国の浸透行為により、起訴された人数は2022年に28人、2023年に86人、昨年は168人に急増している」とし「中国のスパイは同郷会や同窓会などを利用して地域社会に入り込み、台湾の政党にも接近して社会分裂を狙っている」と指摘した。
さらに「中国スパイは中国企業を通じた台湾産業への浸透や、海底ケーブルなど通信インフラの破壊も企てている」とし「政府や軍関係者に限らず、一般市民まで標的にする」と述べた。
大陸委員会の関係者は「中国は台湾の政党へ浸透する際、摘発リスクが高い直接潜入ではなく、地方選挙の立候補者や選挙支援者の取り込みなど間接的な手法を用いる」と説明した。

先に劉得良・元軍事情報局(MIB)長官は今年4月、「台湾に潜伏する中国スパイは5,000人を超える」と述べ、中国が台湾軍人をスパイとして勧誘するために手口の一つとしてハニートラップを挙げていた。
中国のスパイ活動に警鐘を鳴らす大陸委員会は、台湾行政院直属機関で、中国本土や香港、マカオ、海南、内モンゴル、チベット、新疆ウイグル自治区などに関する業務を担当している。
大陸委員会は台湾政府の対中関係を統括する中枢機関として、対中政策の立案・執行や、中国関連情報の分析などを主導している。
台湾内部では、中国との統一には否定的でありながらも、双方の交流・協力を推進してきた。しかし、「脱中国」を掲げた蔡英文政権の発足以降は、中国の台湾選挙介入や安全保障上の脅威に対抗する活動を積極的に展開している。
現在、大陸委員会は中国共産党が推進する「一つの中国」原則に基づく武力統一に強く反対し、台湾の民主制度と体制を守る方向で政策を執行している。














コメント0