ロシアによるウクライナ侵攻を機に国防力強化へ
2027年から徴兵制への本格移行を議論
兵役拒否者が急増、二重国籍の扱いも焦点
ドイツ政府が徴兵制の復活に向けた準備を進める中、良心的兵役拒否の申請が急増していることが分かった。聯合ニュースは18日(現地時間)、ドイツの日刊紙ノイエ・オスナブリュッカー・ツァイトゥング(NOZ)の報道を引用し、今年10月末までに全国で3034件の兵役拒否申請が提出されたと伝えた。申請者は未入隊者と現役・予備役がほぼ半々を占めるという。

兵役拒否の増加は、ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに始まり、政府内で徴兵制復活の議論が本格化した時期と重なる。2021年はわずか201件だったが、侵攻初年の2022年には951件、2023年は1079件に増加した。2024年は2249件と2年で倍増し、今年もすでに3000件を超えており、徴兵制が廃止された2011年以降で最多を更新する見通しとなっている。
ドイツは2011年に志願制へ移行したものの、基本法(憲法)には18歳以上の男性に兵役義務があることや、良心や信念に基づく兵役拒否権、民間代替服務の規定が残されている。政府はこの条項を根拠に、徴兵制廃止後も申請を受理してきた。
政界では兵役法の改正を巡る協議が続いてきたが、すでに2027年から18歳になる男性全員に身体検査を義務づけ、志願入隊者が不足した場合には法改正を経て徴兵制へ戻す方針で合意している。国防省は現役兵力(約18万3000人)を2035年までに最大27万人まで増やす計画である。
昨年は2万人超が志願入隊し、5年ぶりに新兵数が2万人台に回復した。しかし退役者や離脱者を考慮すると、今のペースでは目標達成は難しく、徴兵制の再導入が現実味を帯びている。徴兵制へ転換した場合は、抽選で対象者を選ぶ案が浮上しているものの、代替服務の扱いなど詳細は決まっていない。
特に議論となっているのは、二重国籍者を徴集対象に含めるかどうかという点である。日刊紙『ディ・ヴェルト』によると、2026年に18歳を迎える2008年生まれの男性34万859人のうち、16.6%(5万6693人)が二重国籍者で、その中ではロシア国籍との二重国籍者が3691人と、トルコ、ポーランド、イタリアに次いで4番目に多い。
『ディ・ヴェルト』は「二重国籍者を徴集した場合、忠誠心や安全保障面での懸念が生じる可能性がある」と指摘している。
こうした懸念に対し、国防省報道官は「志願入隊者は服務開始前に、どれほど憲法に忠実であるか審査を受ける」と説明し、「多重国籍者が自由民主主義の基本秩序を守る意思を示すかどうかは、召集を担当する機関が判断する」と述べた。















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