
北朝鮮が寧辺(ヨンビョン)核施設の近代化および拡張作業を継続していることが明らかになった。金正恩北朝鮮国務委員長が掲げる「核戦力強化」方針が着実に進められているとみられる。特に複数の熱交換器が設置されたことが確認され、新たな濃縮施設の建設が進んでいる可能性が指摘された。
米国の北朝鮮専門メディア「38ノース」が23日(現地時間)に公表した分析によると、今年10月から11月に撮影された民間衛星写真の検証の結果、寧辺の主要区域全体で重要設備の増設や補修が活発に進められていることが確認されたという。
寧辺は北朝鮮の核兵器計画の中核拠点で、プルトニウムの唯一の生産地であると同時に、濃縮ウランの主要供給源でもある。金委員長は今年1月、2025年を「核戦力強化のための決定的な年」と位置づけ「兵器級核物質の生産計画を超過達成する」と強調していた。
最も注目される変化は、放射化学実験室(RCL)北東側で確認された新たな濃縮施設の候補地である。建物の外観は既に完成しており、9月以降、建物南東側の外壁に沿って6基の熱交換器とみられる大型装置が一列に設置された。
熱交換器は遠心分離機を冷却し、施設内部の温度を管理するために不可欠な設備とされる。38ノースは、施設内部では核物質生産のための主要機器の設置・点検が進んでいるとみられ、稼働が近いことを示唆していると指摘した。
核廃棄物処理能力の拡張も並行して進められている。既存の廃棄物処理区域の近くでは、半埋設型の放射性廃棄物貯蔵施設の建設が続いており、西側では別の地下貯蔵庫とみられる掘削作業も確認された。核物質生産の増加に伴う廃棄物処理能力確保の動きと考えられる。
また、かつて農業関連施設だった敷地では新たな行政・支援施設の建設が確認され、区域全体でインフラが拡張されていることが示された。
原子炉区域でも継続的な修理及び構造改善作業が観測された。5MWe原子炉は昨年10月から稼働しており、今年4月から8月に屋根や外壁の補修が行われた際も運転を停止しなかったとされる。プルトニウム生産を中断しない強い姿勢が読み取られる。
実験用軽水炉(ELWR)については、稼働前の試験運転が続いていると分析された。9月から10月には冷却水の放出が一時止まり、11月には再び確認されるなど不規則な動きが見られ、安定的な運転段階には至っていないことを示しているという。
さらに、昨夏の洪水で流失した九龍江の越流ダムの復旧と強化工事が進んでおり、11月の衛星写真では新たな堅固なダムの建設が試みられている様子が確認された。
長年未完状態にあった50MWe原子炉は完全な解体手順に入ったとみられる。6月に本格的な撤去作業が始まり、現在は主要炉心建屋のみが残されている状態だ。10月から11月には建屋周辺で大型移動式クレーンの活動が確認され、残された炉心部の解体が進行中であることが示唆される。
38ノースは「これら一連の活動は、核物質生産能力の増強、安定化、継続性確保を目的とした体系的な措置とみられる」とし「新しい濃縮施設の建設、廃棄物貯蔵能力の強化、原子炉運用基盤の補強など、北朝鮮は核兵器生産体制の全般的な拡張と近代化を加速させている」と分析した。















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