CNN「ゼレンスキー氏、2月以降33回『感謝』」
「ロシアに有利」和平案受け入れ圧力の狙いか

「侵略者」であるロシアに有利な条件でウクライナ戦争の終結を図るドナルド・トランプ米大統領は、自身の終戦構想を積極的に受け入れないウクライナに対し、露骨な不満を示した。
トランプ大統領は23日(現地時間)、SNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿し、「ロシアとウクライナの戦争は激しく、悲惨で、もし米国とウクライナに強力で適切な指導力があったなら、決して起こらなかっただろう」と主張した。
また、2020年大統領選でジョー・バイデン前大統領ではなく自身が当選していれば、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナを攻撃することはなかったとする従来の主張を繰り返し、ウクライナと欧州への不満を露わにした。
トランプ大統領は「ウクライナの指導部は我々の努力に対してまったく感謝を示しておらず、欧州はロシアから原油を買い続けている」と批判した。
ゼレンスキー氏、繰り返し「米・トランプ氏に感謝」表明
これに対し、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、これまで米国の支援と終戦仲介努力に対する謝意を繰り返し表明してきた。特に今年2月、トランプ大統領とのホワイトハウス会談が決裂した後は、公の場で「感謝」の言葉により頻繁に言及している。
『CNN』によると、ゼレンスキー大統領は会談決裂後、米国およびトランプ大統領に対して33回にわたり感謝の意を示したという。
同日もX(旧Twitter)に長文を投稿し、「対戦車ミサイル『ジャベリン』をはじめ、ウクライナ国民の命を救った米国の支援とすべての米国民、そしてトランプ大統領に深く感謝する」と述べた。
それにもかかわらず、トランプ大統領がウクライナ指導部を問題視した背景には、自身が提示した和平案の受け入れを迫る狙いがあるとみられている。
トランプ大統領は前日、「ゼレンスキー大統領が期限までに和平案を受け入れなかった場合、どうなるのか」との質問に、「彼は好きなだけ戦争を続ければいい」と答えた。
米・ウクライナ「和平枠組みを策定」
共同声明「ウクライナ主権を完全に保障」

こうしたトランプ大統領の公開圧力を受け、米国とウクライナはこの日、戦争終結に向けた「和平枠組み」を策定した。
米国務省は「米・ウクライナ会合に関する共同声明」を発表し、「両国代表団はジュネーヴで米国側の和平案に関する協議のため会合を開き、その議論を踏まえて、更新され、より精緻化された和平枠組みを作成した」と明らかにした。
この会合には、マルコ・ルビオ米国務長官とウクライナ大統領府のアンドリー・イェルマーク長官が出席し、スイス・ジュネーヴで和平案をめぐる協議が行われた。
共同声明では「いかなる将来の合意も、ウクライナの主権を完全に保証し、持続可能で公正な平和を確保するものでなければならない」と再確認した。
両国は今後数日間、和平枠組みについて集中的に協議し、欧州のパートナー国とも緊密に連携する方針だ。最終決定は米国大統領とウクライナ大統領が下す。
「トランプ和平案の草案、ロシアに有利」
ジュネーヴ交渉、ウクライナ側の反映に注目
これに先立ち、トランプ政権は28項目からなる和平案を作成し、ウクライナとロシアに対し、27日までの受け入れを求めていた。
報道によると、その草案には、ウクライナが東部ドンバス(ドネツィク、ルハーンシク)地域全域をロシアに譲渡し、ウクライナ軍を60万人規模に縮小する内容などが盛り込まれている。
また、ウクライナのNATO(北大西洋条約機構)加盟を認めない一方で、NATOに類似した形で米欧による「集団防衛」方式の安全保障措置を導入する案も含まれている。
これに対し、ウクライナと欧州側は「ロシアに有利な和平案だ」として反発している。
トランプ大統領は前日、記者団に対し、この草案について「最終案ではない」と述べ、交渉過程で修正される可能性を示唆した。
今回のジュネーヴ協議で、ウクライナ側の立場を反映した一定の修正が行われたかどうかに注目が集まっている。
















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