
ドナルド・トランプ米大統領の特使スティーブ・ウィットコフ氏とロシア高官との通話内容が流出し、ウクライナ国内では失望と怒りの声が広がっている。
ブルームバーグが25日に報じたところによると、ウィットコフ特使はクレムリンの外交政策補佐官ユーリー・ウシャコフ氏との通話で、トランプ大統領への対応方法について助言していたという。
ウィットコフ特使はさらに、平和協定を成立させるには何が必要か理解しているとしたうえで、ドネツク(ドンバスの一部地域)、そして場合によっては領土交換が必要になると発言し、ロシア側の要求に同調しているかのような姿勢を示したと伝えられている。
ブルームバーグはまた、ウシャコフ補佐官とキリル・ドミトリエフ露大統領特使の間の通話内容も報じた。それによると、両者はロシア側の和平案を、あたかも米国が主導して提案したかのようにウィットコフ特使に発表させる案を協議していたという。
これについて、ウクライナ欧州連帯所属のウォロディミル・アリエウ議員は、ウィットコフ氏は事実上ホワイトハウスへ通じるクレムリンの窓口になっており、今回の件では中立的な交渉者ではなくロシアの協力者のように振る舞っていると批判した。
また、ウクライナ最高会議外交委員会のオレクサンドル・メレシュコ委員長も、今回の件は露側との共謀に見えると指摘し、同氏の発言と行動は米大統領への信頼を損なうものであり、調査対象になり得ると語っている。
一方で、そもそもウィットコフ特使に期待していなかったとの声も上がっている。
野党ホロス所属のヤロスラウ・ユルチシン議員は、ウィットコフ氏は以前から実業家として親プーチン系ロシア富豪と密接な関係にあり、その時点でウクライナではすでに信頼を失っていたと指摘した。
アリエウ議員も、ウクライナ国内では和平計画がロシアの主導によるものだと疑わない人がほとんどだったと強調した。
不動産開発業出身のウィットコフ特使は、ここ数か月間にロシアを複数回訪問し、プーチン大統領と会談を重ねた後、ワシントンに戻ってからはクレムリン側の和平条件を繰り返し発信してきたと、ブルームバーグは伝えている。













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