
米トランプ政権が、今週予定されていた次期・米連邦準備制度理事会(FRB)議長最終候補者に対する面接日程を突如キャンセルした。ドナルド・トランプ米大統領が候補を事実上一人に絞ったと明かした直後の措置だ。
Newsisの報道によると、2日(現地時間)にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は事情に詳しい関係者の話として、トランプ政権がFRB議長候補に3日に予定されていたJD・ヴァンス副大統領との面接がキャンセルされたと通知したと伝えたという。公式なキャンセル理由は明らかにされていないが、ある関係者はヴァンス副大統領のスケジュール衝突が原因だと語った。ただし、面接日程が再設定されるかは不透明だとも付け加えた。
スコット・ベッセント米財務長官は、当初11人だった候補者を5人に絞った。これを受け、スタッフは有力候補とされる国家経済会議(NEC)のケビン・ハセット委員長と、他の候補であるケビン・ウォーシュ前FRB理事、クリストファー・ウォラーFRB理事らへの面接を行い、最終推薦リストを大統領に報告する予定だった。
しかし、ヴァンス副大統領との面接がキャンセルされたことで公式手続きは事実上中断された。副大統領の報道官はWSJのコメント要請に応じず、ホワイトハウスは「トランプ大統領が直接発表するまで、次期FRB議長が誰になるかは誰にもわからない。それまでに出る話はすべて単なる憶測だ」と述べた。
トランプ大統領はこの日の午前、ホワイトハウス内閣会議で候補を一人に絞ったと公表した。その後のイベントではハセット委員長を指し、「潜在的なFRB議長」と紹介した。彼はまた「素晴らしい人々が集まっているが、おそらく潜在的なFRB議長がここにいるだろう」と述べた。ただし、候補選定手続きはほぼ最終段階にあるものの、実際の発表は来年初めになるとした。
WSJは、トランプ大統領がすでに選択を終えたと述べたことで、スタッフが準備してきた公式面接手続きは事実上無効になったと伝えた。FRBのジェローム・パウエル議長の任期は来年5月中旬までで、後任者の指名はトランプ政権2期目における最重要人事の一つとされる。
FRBは、労働市場の減速リスクと中央銀行の2%物価目標達成を阻む根強いインフレリスクの間でバランスを取る難しい立場にある。次期議長は貿易・移民政策の変化などで深まった内部意見の分裂の中でこうしたリスクを調整しつつ、トランプ大統領が公然と求める金利引き下げ圧力にも対処せねばならない。
一方、手続きに詳しい関係者は、トランプ大統領がまだハセット委員長の指名を撤回する可能性も完全には排除できないと語った。ただし、ベッセント長官が積極的に介入しない限り、その可能性は低いとの見方が優勢だ。ベッセント長官はトランプ大統領から直接何度も議長職就任を要請されたにもかかわらず、これを辞退し続けているとされる。














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