
AppleがAI組織の再編と核心人材の獲得を進める中、AIの収益化に向けた重要な転換点が期待されるとの分析が出てきた。ハナ証券によると、Appleは7年間AI戦略と機械学習を総括してきた上級副社長(SVP)ジョン・ジャナンドレア氏の辞任を発表したという。今年Siriのアップデートが予定通りに発売されなかった後、組織構造を再編する過程で行われた決定と推測される。ただし、ジャナンドレア氏は2026年春まで顧問として残り、引き継ぎと戦略顧問の役割を果たす予定だ。
同時にAppleは、Google・DeepMindで15年以上AI研究を主導し、最近マイクロソフトでAI部門の企業副社長(Corporate VP of AI)を務めていた著名なAI研究者アマー・スブラマニヤ氏を獲得した。スブラマニヤ氏はソフトウェア部門の総括クレイグ・フェデリギ氏に直接報告し、基盤モデル、機械学習研究およびAI安全部門を全面的にリードする。
ハナ証券のパク・スンジン研究員は、今回の人事はMeta、OpenAI、Anthropicなど競合他社への研究人材の移動が続き、AI人材の空白が拡大している状況の中で、攻撃的な人材補強に乗り出しているAppleの対応措置と解釈した。Apple Intelligenceの能力を来年まで本格的に強化するためには、外部からの獲得が避けられないという経営陣の判断が反映された結果だとの評価だ。
パク研究員は、スブラマニヤ氏の獲得がAppleのAI戦略の方向を転換する上で時期的に最も意義深い選択であり、AppleのAI戦略に対する時間的圧力が高まる中で、外部の核心人材の確保は8月の報告書で指摘したように最も自然な次のステップだと分析した。
現在Appleの最大のリスク要因は、依然として明確に表れていないAI戦略だ。世界最大規模の消費者設置基盤(iOS 24億台、iPhone 15億台)を確保している状況を考えれば、今こそAppleがAI関連の投資を加速すべき時期だという判断だ。
パク研究員は、AI部門の収益化が今後数年内、Appleの株価に1株75ドル(約1万1,658円)~100ドル(約1万5,545円)の追加価値を創出する潜在能力があると判断し、現在の株価にはAIプレミアムが全く反映されていない状況だと述べた。これは年末と2026年に大型テクノロジー株の中でAppleの相対的魅力を高める要因として作用するという見方だ。
GoogleのGeminiがAppleのAI独占パートナーになる可能性が高い点も注目すべき部分だ。最近の米司法省(DOJ)の訴訟でのGoogleの勝利により、協業の制約要因が解消された状況で、今後数か月内に消費者AI戦線で公式パートナーシップが発表される可能性があるという判断だ。
パク研究員は、このような構図はAppleがAI戦略の実体を市場に提示できる構造的基盤を提供すると指摘し、今回のAIリーダーシップ発表は時期的にも戦略的にも非常に精緻な意思決定であり、Appleの中長期AI戦略の幕開けを告げる措置だと解釈した。
これによりAppleに対するアウトパフォーム(Outperform)の投資意見と目標株価320ドル(約4万9,743円)を維持した。














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