
ベンヤミン・ネタニヤフ イスラエル首相は2日(現地時間)、シリアと安全保障協定を結ぶことは可能だと述べたと、アラブ系メディアのアルジャジーラが報じた。
ニューシスによると、ネタニヤフ首相はこの日、軍病院を訪れて負傷兵を見舞った際に、「(安全保障協定の見返りとして)われわれがシリアに求めているのは、ダマスカスからヘルモン山(イスラエル名ジャバル・アッ=シャイフ)に至るアクセスルートと山頂までの一帯を、非武装の緩衝地帯として設定することだ」と語った。
さらに「イスラエル国民の安全を守るために、われわれはこの地域を占領している。それがわれわれの義務だ」と強調した。
ネタニヤフ首相は「善意を示しさえすれば、シリアと合意に達することは可能だ。しかし、いかなる場合でも、こうした基本原則は譲らない」とも述べた。
今回の発言は、トランプ米大統領が、イスラエルとシリアが「長期にわたって繁栄する関係を築くことを望む」と表明した翌日に出たものだ。
イスラエルとシリアの安全保障協定をめぐる協議は数か月にわたり続いているものの、目に見える進展はほとんどない状況だ。シリアはイスラエルを正式な国家として承認しておらず、イスラエルはシリア領の支配範囲を広げてきた。
イスラエルは1967年の第3次中東戦争で勝利した後、シリア領だったゴラン高原の大部分を占領し、現在も実効支配を続けているが、アメリカを除く国際社会はこれを認めていない。
その後イスラエルは、昨年12月にバッシャール・アル=アサド政権崩壊後に締結された1974年の協定を破棄し、シリア領内のさらに深い地域へと進出した。とりわけシリア南部を監視できるヘルモン山を押さえた。両国は1974年の停戦時、係争地であるゴラン高原に国連兵力引き離し監視隊(UNDOF)が駐留する緩衝地帯を設けたが、イスラエル側がこれを事実上反故にした形だ。
トランプ大統領は、イスラエルとシリアとの関係正常化に力を入れている。
シリアに対する経済制裁を6か月間猶予する措置を取り、関与姿勢を示してきたほか、イスラエルと周辺アラブ諸国との関係正常化合意「アブラハム合意」の拡大を進めており、シリアに対しても包摂的な姿勢を打ち出している。
トランプ大統領は1日にも、「米国はシリア政府が努力と決意を通じて示してきた成果に非常に満足している」と述べ、「シリア政府が真の繁栄を実現できるよう、計画された重要な措置を着実に実行していくことを全力で後押しする」と強調した。














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