
最前線に投入された北朝鮮製の火砲が、またもやウクライナ軍の標的となった。10日(現地時間)、ウクライナの軍事専門メディア「ディフェンス・エクスプレス」は、北朝鮮製の「63式」107ミリ多連装ロケット砲2基が、ウクライナ軍のドローン攻撃で破壊されたと報じた。公開された映像では、飛行中のドローンが森の中や建物内に隠された火砲を発見し、そのまま突入して爆発する様子が確認できる。

同メディアは「北朝鮮はロシアに兵力や弾薬だけでなく、多連装ロケットシステム(MLRS)を含む追加火力も提供している」と指摘したうえで、「この兵器システムは旧式ではあるものの、ウクライナ軍陣地の近くに配備されれば依然として脅威となる」と分析した。また「今回の事例は、ロシア軍がいまなお外国製装備への依存度が高いことを示している」とも述べた。

今月5日には、ウクライナ軍第63旅団が、ロシア軍が頻繁に運用するUAZ車両の荷台に搭載された北朝鮮製「75式」多連装ロケットをドローン攻撃で破壊したとして、その映像を公開している。さらに7月にも、同軍は東部クピャンスク周辺のやぶに隠されていた75式多連装ロケットを初めて撃破したとする映像を公表し、このロケットが朝鮮半島の外で使用された例はほとんどないと伝えていた。
報道によれば、63式107ミリ多連装ロケット砲は、1960年代に中国が開発した口径107ミリの多連装ロケットシステム(MLRS)だ。北朝鮮は1970年代にこれを輸入したのち、リバースエンジニアリングによって国産化し、「75式」多連装ロケットとして生産してきた。実質的には同系列の兵器であり、西側メディアでは両者の呼称が混在して用いられることもある。













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