
日本と中国間の対立が長期化する中、日本が来月、ジャイアントパンダ2頭を中国に返還する予定だと、15日に朝日新聞が報じた。
報道によると、日本に現在残る唯一のパンダである、東京都の上野動物園で飼育されている双子のオス「シャオシャオ」とメス「レイレイ」は、来年1月下旬に中国へ返還される見通しだという。
2頭は2021年に上野動物園で誕生した。昨年9月に中国へ返還された「リーリー」と「シンシン」の間に生まれた子どもで、2023年2月に返還された「シャンシャン」は2頭の姉にあたる。
当初、シャオシャオとレイレイは来年2月に返還される予定だったが、東京都と中国側が具体的な返還日程について協議した結果、1月下旬に前倒しされたという。
朝日新聞は、東京都が近日中に返還日程を発表する見通しだと伝えている。
一方で、東京都は新たなパンダの貸与を中国側に求めているものの、シャオシャオとレイレイの返還前に実現するのは難しいとの見方が示されている。
朝日新聞は、高市早苗総理が国会で台湾有事に言及したことを受け、中国側が反発姿勢を強めていると伝えた。関係者の一人は「この状況で新たな貸与を求めるのは現実的ではない」と語ったという。
先月7日、高市総理が国会答弁で台湾有事の際の日本の関与の可能性に触れたことをきっかけに、日中関係は急速に悪化した。今月に入ってからは、中国軍機が日本の戦闘機にレーダーを照射したとされる事案も発生し、緊張が続いている。
パンダは1972年の日中国交正常化を機に初めて日本に貸与された。これまでに30頭以上が中国から貸与されるか、日本国内で誕生してきた。
しかし、今年6月に和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで飼育されていた4頭が中国へ返還された後、日本に残っていたのはシャオシャオとレイレイのみだった。
この2頭も来年1月に返還されれば、1972年以降で初めて、日本国内からパンダが姿を消すことになる見通しだという。














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