
ロシア連邦中央銀行が自国の資産が凍結されている欧州内最大の預託機関「ユーロクリア」を相手に18兆2,000億ルーブル(約35兆4,462億円)規模の損害賠償請求訴訟を提起した。Newsisの報道によると、インターファクス、ザ・モスクワ・タイムズなどによれば、モスクワの仲裁裁判所は15日(現地時間)、「ロシア連邦中央銀行が18兆2,000億ルーブルを損害賠償額として請求する訴状を提出した」という。
欧州連合(EU)が今月18~19日に開催される首脳会議で、ロシアの凍結資産900億ユーロ(約16兆3,812億円)をウクライナに支援する案を議論する予定の中、EUの域外資産を狙った逆攻撃を開始したとみられる。EUが戦後賠償金の支払いを条件にロシア資産を無期限凍結し、自国資産から発生する利子だけでなく元本にまで手を出すことは違法行為に該当するという。
ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は13日、「主権資産を凍結し押収するEUの行為はロシアの同意のない違法処分であり、明白な国際法違反だ」とし、「ロシアは対応を遅らせない」と明らかにした。仲裁裁判所が原告の主張を認めて賠償を命じる場合、ロシア連邦中央銀行は中国・香港・アラブ首長国連邦(UAE)・カザフスタンなどの友好国におけるユーロクリア預託資産に対する執行を試みる可能性があるとロシアのメディアは伝えた。
英ガーディアンによると、欧州委員会は他国政府がロシアの資産強制執行に協力できないようにし、ロシア内のEU加盟国資産を保護する法的対応策を整備中だ。これまで欧州委員会はロシアの凍結資産1,400億ユーロ(約25兆4,807億円)をウクライナに支援する案を推進したが、ベルギーの反対により失敗した。6月時点で欧州内のロシア資産は総額2,100億ユーロ(約38兆2,210億円)と推定されており、このうち1,940億ユーロ(約35兆3,074億円)をユーロクリアなどに保管しているベルギーはロシアの償還圧力を自国が被る可能性を懸念している。
これに対しEUは3日、支援額を1,400億ユーロから900億ユーロに引き下げ、ロシアの償還要求に対する安全装置を強化した案を確定し発表した。EUは18~19日の首脳会議でこれを通過させる方針だ。しかし、米トランプ政権もロシアの凍結資産活用に反対し事実上介入しており、通過の可否は不透明だ。ベルギーも反対を貫いている。カヤ・カッラスEU外務・安全保障政策上級代表は15日、「ロシア資産のウクライナ支援がますます困難になっている」とし、「あらゆる面で相当な圧力がかかっている」と述べた。














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