
米共和党の「地盤」でも、雲行きが怪しくなっている。各地で行われた選挙で劣勢が目立つうえ、ドナルド・トランプ大統領が特に注目してきた、選挙区の区割り見直し案を州議会が拒否する事態まで起きた。トランプ大統領は来年の中間選挙に向けて、党への支援を最大限強める構えだが、一部からは「かえって共和党を危機に追い込むのではないか」との懸念も出ている。
トランプ大統領は13日(現地時間)、SNS「トゥルース・ソーシャル」で「下院で過半数の賛成を得て可決された案件に反対票を投じたインディアナ州上院の共和党議員は自らを恥じるべきだ」と投稿。「彼ら全員は予備選で交代させるべきであり、そのために私も動く」と書いた。これは、2日前にインディアナ州上院で行われた選挙区再編案の採決が、賛成19票、反対31票で否決されたことを念頭に置いた発言だ。
この法案が成立していれば、共和党は下院議席を2つ上積みできる可能性が高かったが、採決では共和党議員21人が反対に回った。実質的に、トランプ大統領への党内反発が表面化した格好だ。インディアナ州はトランプ大統領が2016年、2020年に続き、昨年の選挙でも大差で勝利した典型的な共和党の“地盤”とされる。「AP通信」によると、法案の必要性に懐疑的だったインディアナ州共和党上院議員らは、最近トランプ大統領から「悪党」「愚か者」などと呼ばれたり、「選挙で負ければいい」と罵倒される状況が続いたことを受け、反対票を投じたという。

ここ1カ月ほど、共和党を取り巻く空気は不穏だ。11日(現地時間)にはフロリダ州マイアミ市長選挙で、30年ぶりに民主党候補が当選し、ジョージア州の補欠選挙でも民主党が勝利した。フロリダ州は、トランプ大統領が週末ごとに訪れる別荘がある場所であり、彼の政治的拠点でもある。ジョージア州も伝統的に共和党が強い地域とされる。共和党のトム・ティリス上院議員(ノースカロライナ州選出)は「今の状況は2018年の中間選挙のときよりもはるかに危険だ」と指摘。「少なくともあのときは、有権者が何かを失うという感覚はなかったが、来年は(医療費の上昇などで)そうはいかないだろう」と懸念を示した。
トランプ大統領は依然として自らの影響力に自信を見せている。来年は積極的に共和党候補の選挙運動を支援する予定で、今年のように主に海外訪問に時間を割くのではなく、米国内を幅広く回る方針だという。しかし党内には、トランプ大統領の応援が逆風を招きかねないとして、訪問を歓迎しない空気も漂う。11日に発表された「AP通信」とシカゴ大学NORCの共同世論調査によると、トランプ大統領の経済政策運営を支持すると答えた米国成人は31%にとどまり、2期にわたる政権運営の中で最低水準となった。
「AP通信」は「共和党が最も懸念している点は、トランプ大統領が(高インフレなど)昨年の再起を支えたまさにその論点で支持率を失いつつある点だ」とし「トランプ大統領が党に与える影響力には限界があるというサインが、明確に表れている」と指摘した。














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