EU、取り締まり権限を拡大へ
「150ユーロ未満」免税廃止でも合意
欧州連合(EU)は、中国の電子商取引(EC)プラットフォームを通じて流入する商品の規制を大幅に強化する方針を打ち出した。SHEIN(シーイン)やアリババなど中国系オンライン通販を利用した直送(個人輸入)が急増する中、安全性が確認されていない製品が欧州市場に大量に流入しているとの判断が背景にある。

EUのマイケル・マグラス民主主義・司法・法の支配担当欧州委員は13日(現地時間)、英紙「フィナンシャル・タイムズ(FT)」とのインタビューで「中国から欧州の消費者の自宅へ直接配送される危険な製品が急速に増えている」と警鐘を鳴らした。
マグラス委員は、特に安全性の問題が頻繁に指摘されている品目として、化粧品や玩具を挙げた。「使用者に深刻、あるいは致命的な被害を与えかねない製品も流入しているが、監視要員の過重負担により、実際に阻止できているのはごく一部にすぎない」と現状を説明した。
こうした状況を受け、EUは加盟国の負担を軽減するため、EUの行政機関である欧州委員会が直接取り締まりに関与できるよう、権限を拡大する方針だ。現行の消費者保護規制や市場監視制度だけでは、危険な中国製品の流入を十分に食い止めるには限界があるとしている。
マグラス委員は「問題のある商品が確認されても、SHEINのようなプラットフォームが販売リストから削除するだけで終わるケースが多い」と述べ「より強力な抑止力が必要だ」と強調した。
欧州委員会は最近、未成年を想起させる外見の成人向け人形など、違法性が疑われる商品を販売したとして、SHEINに対する正式調査に着手している。調査結果次第では、制裁金が科される可能性もある。フランスではすでに、問題のある商品の広告を理由に、国内でのSHEINサイト運営を一時停止した経緯もある。
これとは別にEUは、安価な中国製EC商品の流入を抑制するため、現在150ユーロ(約25万5,000円)未満の小包に適用されている免税措置を廃止することで合意した。全面的な関税導入に先立ち、来年7月からは低価格の小包に対し、商品カテゴリーごとに1件あたり3ユーロの手数料を課す計画だ。
先行して米国のドナルド・トランプ政権も、800ドル(約118万円)以下の小包に対する免税制度を廃止し、発送国別の関税を導入した。米政府によると、この措置後、中国および香港から発送される少額小包は、1日平均約400万件から100万件程度へと急減したという。














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