実質的な議論なければ軍事手段で歴史的領土を解放

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はウクライナを支援する欧州の指導者らを「子豚」と激しく非難し、戦争であれ交渉であれ、最終的には目的を達成するとの強硬な姿勢をウクライナ情勢を巡って改めて示した。
「タス通信」などによると、プーチン大統領は17日、国防省幹部らを前にした演説で、外交を通じてであれ戦場であれウクライナにおける目標は達成されると警告したという。プーチン大統領はジョー・バイデン前米政権の対ロシア姿勢を批判するとともに、ウクライナを支援する欧州の指導者らについて、ロシアの崩壊を好機と捉えて利益を得ようとしている「子豚」だと強い言葉で非難した。
プーチン大統領のこうした強硬発言は、米国や欧州の当局者らがウクライナ指導部と会い、4年目に入った戦争を終結させるための合意案をまとめようと努力している最中に出たものである。
プーチン大統領は「特別軍事作戦の目的が達成されることに疑いの余地はない」と述べ「相手側や外国の後ろ盾が実質的な議論に関与することを拒否するのであれば、ロシアは軍事的手段によって歴史的な領土の解放を成し遂げる」と語った。
同日の会合ではアンドレイ・ベロウソフ国防相が、攻防が続くドネツク州でロシア軍が新たに掌握した村や都市など、前線の状況についてプーチン大統領に報告した。
プーチン大統領は昨年のロシア国内総生産(GDP)に占める国防支出が7%を超えたことに言及し、軍需生産がロシア経済にとって重要だと強調した。
また、プーチン大統領は新型兵器の開発成果にも触れ、射程に制限がないとされる核推進巡航ミサイル「ブレヴェスニク」や放射能を伴う津波を引き起こすとされる核推進魚雷「ポセイドン」の試験成功を挙げた。さらに、極超音速の中距離ミサイル「オレシュニク」を年末までに実戦配備する考えを示した。
一方、米国はウクライナに対し、北大西洋条約機構(NATO)の集団防衛を定めた第5条に類似した内容の安全保障を提案し、停戦交渉を加速させている。米当局者らは停戦協議が「90%の合意に達している」と述べているが、ロシアは領土問題や戦後のウクライナに対する安全保障の在り方を巡り、依然として強硬な姿勢を崩していない。















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