
シリアのバッシャール・アサド前大統領が、亡命先のロシアで極めて豪奢な生活を送っていると伝えられた。
米紙ニューヨーク・タイムズは22日、アサド氏の弟マーヘル・アサド氏が率いたシリア軍第4師団の元将校2人の証言として、アサド一族の贅沢な暮らしはモスクワに逃れた直後から始まったと報じた。
報道によると、一族はロシア治安当局の厳重な警護のもと、当初はフォーシーズンズが運営する高級アパートに滞在した。宿泊費は週最大1万3000ドルに上るという。その後、モスクワ市内の高層ビル「フェデレーション・タワー」の2層式ペントハウスに移り、さらにモスクワ西郊の高級住宅地ルブリョフカの邸宅へ居を移したとされる。
フェデレーション・タワーの62階には、政界関係者や海外の著名人が訪れることで知られるレストラン「SIXTY」があり、アサド氏が店内で目撃されたとの証言も紹介された。
複数の関係者によれば、ロシア治安当局は一族の警護を続ける一方、行動を把握し、公の場で発言しないよう求めているという。アサド氏は11月、郊外の別荘に友人やロシア当局者らを招き、娘ジェーン氏の22歳の誕生日を祝うパーティーを開いたとの証言もある。ジェーン氏はフランスの名門ソルボンヌ大学アブダビ校で学業を再開したと伝えられた。
アサド一族は、1971年に政権を握ったハーフィズ・アサド前大統領以来、シリアを長期にわたり強権的に統治してきた。バッシャール氏も2000年から統治し、2011年以降の内戦では自国民への化学兵器使用を含むとされる対応が国際社会から厳しく非難された。内戦では50万人以上が死亡し、国民の半数が故郷を追われたとされる。
アサド前大統領は、反体制勢力の攻勢に押され、2024年12月7日に反体制側がダマスカスを制圧すると、支援国ロシアへ家族とともに退避した。反体制勢力を率いたアフマド・アル・シャラア氏は暫定政権の中枢に入り、親欧米路線を打ち出しつつ国際社会への復帰を進めているとされる。













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