
中国が開発を進める6世代ステルス戦闘機J-36の3機目となる試作機の写真や映像がネット上に流出したと「香港明報」が29日に報じた。
報道によると、J-36は昨年12月末に初号機が確認され、今年10月には2機目の試作機が断片的に公開されたという。また、今月25日には3機目とみられる機体の写真や動画がオンライン上で拡散した。
今回確認された試作機について専門家は、機首部分に取り付けられていたピトー管(対気速度を測定する装置)が取り外されているように見えると指摘している。「香港明報」はピトー管は最先端のステルス戦闘機において戦闘効率を低下させる要因になり得るため、これが撤去されたことは、より高度なデータ取得手法が確立された可能性を示していると伝えた。

今年10月に確認された2機目の試作機は、尾部の水平尾翼を持たず、3基のエンジンを搭載していたのが特徴だった。機体上部に1つ、下部に2つの吸気口を備えた三発エンジン構成とみられている。
専門家らは現在までに公開された外観から判断すると「J-36は少なくとも空力設計の検証段階をほぼ終え、今後はシステム試験や飛行性能の最適化といった次の段階に入る可能性が高い」と分析しているという。
「香港明報」はさらに、J-36の戦闘行動半径が4,000kmを超えると推定されると指摘した。これは日本、韓国、台湾に加え、沖縄やグアムにある米軍基地にも到達可能な距離で、中国が第2列島線まで打撃能力を及ぼし得ることを意味すると分析した。
中国は、日本の沖縄・台湾・フィリピン・マラッカ海峡を結ぶ線を「第1列島線」、伊豆半島・グアム・サイパン・インドネシアを結ぶ線を「第2列島線」と位置づけ、対米軍事防衛線であると同時に米国による対中軍事包囲線とみなしている。
J-36は、中国空軍の依頼を受け、「成都飛機工業集団(CAC)」が開発を進めている6世代ステルス戦闘機とされる。
一方、 中国の航空機製造会社成都飛機工業(CAC)の姉妹企業である瀋陽飛機工業集団(SAC)も、別の6世代ステルス戦闘機J-50の開発を進めているとされており、中国の次世代航空戦力の動向に注目が集まっている。















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