
テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が、OpenAIのサム・アルトマンCEOを相手取って起こした詐欺訴訟が、4月末に陪審員裁判へ移行し、正面衝突の局面に入る。裁判所は、マスク氏側の主張について、陪審員の判断を仰ぐに足る十分な証拠があると判断し、裁判は長期化する見通しだ。
米カリフォルニア州オークランドの連邦地裁で担当するイボンヌ・ゴンザレス・ロジャース判事は13日(現地時間)、マスク氏とOpenAIをめぐる法的紛争の新たな裁判日程を確定した。陪審員の選定は4月27日に始まり、本裁判は28日から開廷、最長で5月22日までの約4週間に及ぶ見込みだ。当初は3月末に予定されていたが、日程はおよそ1か月延期された。
今回の訴訟は、マスク氏が昨年、OpenAIとアルトマン氏を相手取って提起したもので、以降、本格化している。マスク氏は、OpenAIが非営利の研究機関として発足したにもかかわらず、マイクロソフト(MS)との提携を契機に営利モデルへと方向転換し、創設当初の理念を裏切ったと主張している。また、OpenAIが人類全体に利益をもたらす人工知能(AI)を開発するとの約束を前提に、数年にわたり総額3,800万ドル(約58億円)を寄付してきたとも明らかにした。
OpenAI側はこれに対し、マスク氏が2018年の時点で、すでに営利構造への転換の可能性を認識していたと反論している。また、非営利組織が現在も支配構造の中核にあり、研究の方向性や統制機能を担っていると説明した。同社は今回の訴訟について、根拠のない主張だと位置づけ、マスク氏がOpenAIに圧力をかけるために仕掛けた一連の攻撃的な行動だとして強く反発している。
訴訟の過程で公開された内部資料も、双方の対立を一段と激化させている。最近の裁判所決定により数百件に及ぶ証拠文書が開示され、その中には、マスク氏が訴訟を起こす以前から両者の関係に緊張が走っていたことを示すテキストメッセージも含まれている。
裁判日程が確定するにつれ、両者の対立はさらに激しさを増している。両氏は20日、SNS上で互いの技術が死亡事故や安全上の問題を引き起こしているとして、真正面から批判を交わした。
今回の応酬は、マスク氏が同日未明に「愛する人にChatGPTを使わせるな」と投稿したことをきっかけに始まった。マスク氏は、OpenAIののチャットボットが2022年の公開以降、子どもや大人を含む9人の死亡と関連しているとする投稿に反応し、警鐘を鳴らした。これに対しアルトマン氏は、ChatGPTには安全装置が設けられている必要性を強調すると同時に、テスラの自動運転技術を名指しして批判し、反撃に出た。
アルトマン氏は、テスラの自動運転支援機能「オートパイロット」について、「一度利用したことがあるが、市場に投入するには安全性に疑問を感じた」と述べた。また、マスク氏が率いるxAIのチャットボット「Grok」の運営方針についても、批判的な見解を示した。














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