ヨーロッパは、ドナルド・トランプ米大統領によるグリーンランド掌握の試みに対し結束して反発した。しかし、安全保障や輸出、先端技術など幅広い分野で米国への依存が深まっているため、実効性のある対応策は限られているとの分析が出ている。

米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」は27日(現地時間)、欧州連合(EU)が米国を最大の輸出市場としており、天然ガス供給の約4分の1を米国に依存していると報じた。
EUの統計によると、2024年におけるEUの対米商品輸出額は約6,400億ドル(約98兆円)に上り、全体の商品輸出の21%を占めた。これは2019年の18%から3ポイント増加した数値で、2位と3位の輸出市場である英国と中国を合わせた規模に匹敵する。
技術や金融サービス分野における米国への依存度も高い。クレジットカード決済では、VisaとMastercardが欧州全体の約3分の2を占めている。ベルリンのデジタル業界団体ビットコムの調査では、ドイツ企業の80%が「米国のデジタル技術やサービスに依存している」と回答した。
英調査会社キャピタル・エコノミクスのニール・シェアリング首席エコノミストは、「技術や安全保障、金融とドルをめぐる依存関係が西側ブロックを結束させる接着剤になっている」と指摘し、「その中で米国が莫大な影響力を持っていることが明確になった」と述べた。
数十年にわたり、ヨーロッパは安全保障を米国に、エネルギーをロシアに、輸出市場を中国に依存してきた。しかし現在は、この三つすべてを米国に依存する構図となっている。
こうした状況を受け、EUは昨年、米国への依存度を引き下げるため、貿易パートナーの多角化に乗り出した。27日にはインドとの包括的自由貿易協定(FTA)を発表し、これに先立って南米4カ国とも合意に達している。ただ、専門家らは、パートナー多角化を通じた「新たな同盟」が形成されたとしても、国防や金融、先端技術へのアクセスでは、依然として米国への依存が大きいとの見方を示している。
ドイツのキール世界経済研究所のモリッツ・シュラリック所長は、「ヨーロッパの合意に基づくガバナンスは、大国間競争の時代には適していない」と指摘した。その上で、「ヨーロッパは分断され、支配されやすい存在だ」との認識を示した。
トランプ大統領の貿易戦争の最前線に位置するドイツ南西部バーデン=ヴュルテンベルク州は、昨年、約350億ユーロ(約6兆4,000億円)を米国向けに輸出した。ポルシェやメルセデス・ベンツの本社がある同州では、過去2年間で対米輸出が年平均6%減少している。
ドイツ・シュトゥットガルト商工会議所のクラウス・パール氏は、「他の市場との取引を模索する必要はあるが、米国に代わる選択肢は見当たらない」と述べ、「グリーンランドをめぐる関税の脅威が、企業の計画や投資を事実上不可能にしている」と懸念を示した。
シュトゥットガルト周辺には、約2万8000人の米国人が駐留する複数の米軍基地が置かれている。ドイツ国内最大の米軍基地は、兵力規模でドイツ軍最大の基地を上回るという。この地域の公営企業は最近、米ルイジアナ州から年間200万トンの液化天然ガス(LNG)を20年契約で受け取る取り組みを開始した。
経済面での結び付きも古い。自動車部品大手ボッシュの創業者ロバート・ボッシュは、19世紀後半に米国で技術訓練を受けた人物だ。第二次世界大戦後、米国の資金や専門性はドイツ自動車産業の再建と発展を後押しした。
シュトゥットガルト近郊にあるテュービンゲン大学のゲオルク・シルト歴史学教授は、「私たちは米国の優位に挑戦してこなかった」と述べた。その上で、「米国人がここにいてほしいと受け入れ、好意的に接してきたにもかかわらず、彼らが背を向けつつある状況は理解しがたい」と語った。
















コメント0