
米国は4日(現地時間)、先端産業や防衛産業に欠かせない重要鉱物のサプライチェーンを多角化するため、新たな協議体「FORGE(資源地政学協力フォーラム)」を発足させた。
供給網が中国に偏っている現状からの脱却を狙った措置で、同盟国・友好国を軸にした枠組みを立ち上げるとともに、価格下限の導入を含む市場安定策も進める方針を示している。
マルコ・ルビオ国務長官は同日、ワシントンの国務省で開いた重要鉱物の閣僚級会合後の記者会見で、55のパートナー(54か国と欧州連合)と協力を進めていると説明し、重要鉱物と加工品の確保は政策全般の前提になると強調した。
ルビオ長官は、重要鉱物の供給が特定の1か国に過度に集中している点を問題視し、最悪の場合は地政学的な圧力手段として悪用されかねない上、パンデミックや政治的不安定といった混乱にも脆弱になると指摘した。そのため、信頼できる多様な供給網を構築すべきだという認識が広がっているとも述べている。
さらに、国外の競争相手が国家補助金や不公正な慣行を用いて価格を押し下げ、民間投資を阻害しながら市場支配力を握っていると警戒感を示した。産業が独占状態になれば、相手が恣意的に価格を決めたり、供給を武器化したりする恐れがあるとの見立ても示した。
こうした構造は持続可能ではないとして、米国は国内の許認可改革と戦略備蓄を進めつつ、同盟国と信頼できる国際供給網を築くためのプラットフォームを立ち上げたという。
ルビオ長官は、同日正式に発足したFORGEについて、世界的な対応を形にする新たな取り組みだと位置づけ、すでに複数国が参加に署名したことを明らかにした上で、さらに多くの国の参加を呼びかけた。
また、米国政府がすでに投じてきた数十億ドルの財政支援を土台に民間投資を呼び込み、技術革新と経済成長、国家安全保障を同時に強める歴史的な出発点になるとの認識を示した。
午後のセッションでは、ジェイミソン・グリアー米通商代表部(USTR)代表が価格下限メカニズムを説明し、エネルギー省、米国国際開発金融公社(DFC)、米輸出入銀行(EXIM)が投資手段を紹介する予定だという。最後はスコット・ベッセント財務長官が閣僚級会合を締めくくる見通しも示した。
ルビオ長官は開会あいさつでも、経済安全保障は国家安全保障そのものだと位置づけ、重要鉱物は日常の機器から産業インフラ、防衛まで幅広い分野を支える基盤になると力説した。今回の閣僚級会合は、採掘から精製・加工・製造まで全工程を含む多国間の供給網を再構築する国際的な起点になるとも説明している。
会合では、ルビオ長官の要請によりJ・D・ヴァンス副大統領が基調講演に立ち、ドナルド・トランプ政権として重要鉱物の供給網を築く意志を鮮明にした。
ヴァンス副大統領は国際市場を「戦略的投資、多様化、長期計画を罰する歪んだ市場」だと批判し、価格崩壊によって鉱山や精製プロジェクトが世界各地で頓挫していると指摘した。
その上で、同盟国・パートナーと重要鉱物の優遇貿易圏を設け、全生産段階に基準価格を設定して価格下限を維持する方針を示した。調整関税でダンピング輸入を遮断し、安定した価格環境を整えることで長期投資を可能にするとも述べた。
また、公的金融と直接投資で供給網を再建しているとした上で、最近は「プロジェクト・ボールト(Project Vault)」を立ち上げ、民間産業向け重要鉱物の戦略備蓄に初めて踏み込んだとも説明した。これらの措置は再工業化に加え、同盟国と新たな国際供給網を築く狙いがあるという。
ヴァンス副大統領は、貿易政策、開発金融、外交を一つの戦略に束ね、世界の重要鉱物供給を多角化するのが目標だと説明し、参加国の成長と安全保障を同時に強める枠組みになるとの見通しを示した。
国務省は会合後に発表した資料で、この日だけでアルゼンチン、ペルー、フィリピン、モロッコ、ウズベキスタンなどと、新たな重要鉱物の二国間協力枠組みや覚書(MOU)計11件を締結したと明らかにした。直近5か月で追加の10件を結んだのに続き、17か国とは協議体参加に関する交渉を終えたとも説明している。
さらに、重要鉱物の供給網再編に向け、直近6か月で官民合計300億ドル(約4兆7,000億円)以上を動員したとも明らかにした。














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