
サウジアラビアは米国とイスラエルによる対イラン空爆の初期には戦争に反対していたが、現在は立場を変え、ドナルド・トランプ米大統領にイランとの戦争を続けるよう促している。特に、サウジの実質的指導者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子が、原油価格を懸念するトランプ大統領を説得しながら、戦争継続を働きかけていると伝えられている。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)は24日(現地時間)、複数の関係者の話として、ムハンマド皇太子が最近1週間にわたりトランプ大統領との対話で、イランの強硬な政権を排除すべきだとの立場を繰り返し強調してきたと伝えた。ムハンマド皇太子は今回の戦争を中東の覇権構図を再編できる「歴史的機会」とみているという。
また、イラン戦争を巡って判断に迷っているトランプ大統領に対し、終戦は誤りだと主張し、イラン政府を弱体化させるため、イランのエネルギー施設への攻撃を提案してきたとされる。国際原油価格を懸念するトランプ大統領に対しては、その影響は一時的なものにとどまると説得したとも伝えられている。
ムハンマド皇太子は特に、トランプ大統領が検討している米国の地上作戦も支持した。関係者によると、ムハンマド皇太子は米国がイランに部隊を送り、エネルギー施設を掌握したうえで、イラン政権を排除すべきだと促したという。
これは、戦争初期のサウジの立場からするとやや変化した部分でもある。サウジアラビアはイスラム教スンニ派を代表する国であり、中東の盟主としての役割を担ってきた。一方、イランはこれに対するシーア派国家として、両国は対立関係にあった。長年にわたり敵対してきたものの、イラン空爆を巡っては慎重な立場を保ってきた。シーア派勢力を刺激すれば、中東全域が戦争の渦に巻き込まれる恐れがあるためだ。さらに、イラン国内で大規模な混乱が起きて難民が発生するなど、中東全域で予期せぬ事態が起きる可能性もサウジ側の懸念の一つだった。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は23日、サウジアラビアが戦争初期にイランから数回にわたる攻撃を受けた後、立場を変えたと報じた。サウジアラビアは最近、米国に対しキング・ファハド空軍基地の使用まで認めたという。
ムハンマド皇太子は以前からイランは湾岸地域にとって長期的な脅威であり、これは政権交代なしには解消できないと主張してきた。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相もイランを長期的脅威とみているが、戦後の状況については認識の違いがある。
専門家らによると、イスラエルはイランが国内の混乱に陥り「破綻国家」のような状態になったとしても、それを成果と評価する余地があるという。これに対しサウジは、イランが次の指導部を適切に立てられず混乱に陥ることを、重大で直接的な安全保障上の脅威とみている。たとえイラン政府が崩壊しても軍部勢力や民兵組織が結集すれば、引き続きサウジを攻撃する可能性があるためだ。
一部の専門家はムハンマド皇太子が今回の戦争を、中東全域でサウジの影響力を拡大する機会とみていると分析している。ムハンマド皇太子は戦争が続いたとしても、自国防衛は可能だと判断しているようだ。
しかし、サウジ政府はムハンマド皇太子がトランプ大統領に戦争継続を促しているとの報道を否定した。サウジ政府はNYTに対し「サウジは以前から今回の紛争の平和的解決を一貫して支持してきた」とし「トランプ政権と緊密に連絡を取り続けており、我々の立場に変わりはない」と述べた。
















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