
イラン戦争の影響がエネルギー供給を超え、半導体やAI、医療分野に不可欠な資源であるヘリウムの供給網にも深刻な打撃を与えている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると30日、世界のヘリウム供給の約3分の1を担うカタールの天然ガス輸出が停止し、世界市場で深刻なボトルネックが発生している。ヘリウムは半導体ウエハーのエッチング工程における温度制御やMRI装置の冷却、軍用ドローンや宇宙ロケットの製造に不可欠な資源とされる。
しかし、イランの攻撃によりカタールのラスラファンLNG施設が大きな被害を受け、復旧には最大5年を要する可能性があるとみられている。ホルムズ海峡の機能不全により物流も停滞し、ヘリウム価格はスポット市場で既に2倍以上に急騰した。
特にヘリウム輸入の約3分の2をカタールに依存してきた韓国にとって、今回の事態は「ブラック・スワン」とも言える深刻なリスクとなっている。
産業通商資源部や大韓貿易投資振興公社(KOTRA)など関係当局は、米国の供給業者と緊急協議を行い、代替供給の確保に乗り出したとみられる。
フィッチ・レーティングスは、供給不足が長期化した場合、韓国や台湾の半導体生産に支障が出る可能性が高いと警告した。

引用:ニューシス
ヘリウムは液体から気体へと変化する性質上、長期保存が極めて難しい。通常の保存期間は35〜48日程度にとどまり、現在は数百基の極低温コンテナが中東地域で滞留している。
供給業者はすでに顧客企業に対し供給削減や追加料金の導入を通知しており、事実上の「配給制」に近い措置が取られている。
業界専門家は、今回の事態がAI産業の構造的な脆弱性を浮き彫りにしたと指摘している。
S&Pグローバル・エナジーのラルフ・グブラー研究ディレクターは「今回のヘリウムショックは、AIインフラが地政学的にリスクの高い限られた拠点に過度に依存している現実を示した」と述べた。
WSJは、パーティー用風船向けのヘリウム供給は事実上停止しており、今や半導体や医療分野でも確保を巡る激しい入札競争が起きていると伝えた。
















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