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中国が供給網を“武器化”か…輸出入制限を可能にする新規定、その狙いとは

荒巻俊 アクセス  

中国「供給網に脅威なら輸出入制限も」…新規定整備で米国けん制

引用:ニューシス
引用:ニューシス

中国政府は、自国のサプライチェーンが危機にさらされていると判断した場合、外国に対して輸出入制限などの措置を取ることを可能にする新たな規定を整備した。米国が相互関税を巡る違法判断の後も通商法301条調査などで圧力を強め、中国も貿易障壁調査で対抗している中、制度面での対応基盤を整えた形とみられる。

8日付の中国国営・新華社通信によると、中国の李強首相は前日、こうした内容を盛り込んだ「国務院による産業チェーン・サプライチェーン安全規定」に署名し、8日から施行した。

全18条で構成されるこの規定は、産業チェーン・サプライチェーンの安全リスクを防ぎ、経済・社会の安定と国家安全を守ることを目的としている。産業チェーン・サプライチェーンの安全に関する制度や措置の整備・改善に加え、対抗措置や域外適用についても定めた。

これにより、規定には国家が産業チェーン・サプライチェーンの安全確保のために重点分野リストを作成し、データ安全のための措置などを講じることができると明記された。重点分野における原材料、技術、設備、製品などの供給状況や国家への影響を評価し、警告を発することも可能とした。

また、重点分野の産業チェーン・サプライチェーンの安全に影響し、経済・社会の安定や国家安全を脅かす場合には、緊急調達、備蓄物資の動員、生産・輸送・供給の組織化など緊急対応措置を取ることができるとした。

特に、外国の国や地域などが産業チェーン・サプライチェーンの面で中国に対し差別的な禁止・制限措置などを講じた場合には調査を実施できるとし、関連する物品や技術の輸出入、国際サービスや貿易などを禁止・制限したり特別費用を課すなど、適切な措置を取ることを可能にした。

さらに、外国の組織や個人が差別的措置などを講じた場合には、調査に加え、輸出入や投資を禁止・制限したり、入国や滞在を禁じることもできるようにした。

こうした措置は通商法301条調査など米国の通商圧力が続く中、中国の対抗措置に向けた制度的基盤を整える狙いがあるとみられる。これに先立ち、中国商務省は先月、米国の通商法301条調査への対抗措置として、米国の貿易障壁の有無に関する調査にも乗り出していた。

また、5月に予定されるドナルド・トランプ米大統領の訪中に合わせた米中首脳会談を前に整備された点も注目される。

中国国営メディアは今回新たに整備されたこの規定が米国などを念頭に置いたものだと専門家の見方を引用して報じた。

先導科学技術研究院の張暁栄院長は、中国官営英字メディアのグローバル・タイムズに対し「今回の規定は半導体輸出禁止、技術封鎖、デカップリング、サプライチェーン混乱の試みなど、いわゆる国家安全を過度に拡大解釈する米国や一部西側諸国に対する直接的な対応だ」と述べた。

張院長はまた、この規定に調査や輸出入制限などの対抗措  置が盛り込まれたことについて「これは受け身だった中国の立場を根本から転換するものだ」とし「どの分野においても孤立を容認しないという明確な信号を送るものだ」と分析した。

さらに「これまで中国は主に反外国制裁法や輸出管理法など、散在する法律に依存していた」とし「新たな規定は産業チェーン・サプライチェーンにおける国家安全を守るため、従来の法律や規定、措置を包摂するパッケージの役割を果たすだろう」との見方を示した。

グローバル・タイムズは「中国の専門家はこの規定を中国の産業およびサプライチェーンの安全を巡る初の専用行政法規と位置づけており、国家経済を守るための中国の手段をさらに強化するものだと説明している」と伝えた。

荒巻俊
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