
レオ14世教皇が「少数の暴君が世界を破壊しているが、兄弟姉妹たちの支えによって成り立っている」と述べ、世界を戦争へ追い込む指導者たちを批判した。最近対立を深めているドナルド・トランプ米大統領とホワイトハウス高官らを念頭に置いた発言ではないかとの見方が出ている。
16日、ワシントン・ポストなどによると、アフリカ4カ国を歴訪中のレオ14世教皇はこの日、カメルーン北西部の都市バメンダでこのように演説した。
教皇は「聖なるものを闇と汚れの中へ押し込み、宗教と神の名を自らの軍事的・経済的・政治的利益のために利用する者たちに災いあれ」と述べた。そのうえで、「神の創造物を搾取することは、すべての正直な良心が非難し、拒まなければならない」と語った。
続けて「戦争の達人たちは、破壊は一瞬でも再建には一生でも足りないことを知らないふりをしている」とし、「彼らは殺人と破壊に数十億ドルが費やされる事実を無視するが、治療、教育、復旧に必要な資金はどこにも見当たらない」と指摘した。
海外メディアは、今回の発言について、対イラン戦争を巡ってホワイトハウス高官らと続いてきた応酬の延長線上にあるとみている。
初の米国人教皇であるレオ14世は、イラン戦争を機にトランプ政権への批判を強めてきた。イラン戦争を正当化するために宗教的な表現を繰り返したピート・ヘグセス米国防長官に対しては、「神は『手に血をたっぷりとつけた』指導者たちの祈りを拒むだろう」と述べた。また、米国とイランの停戦交渉が進んだ後には、「X(旧Twitter)」に「神はいかなる戦争も祝福せず、爆弾を落とす者たちの側には立たない」と投稿し、トランプ大統領を暗に批判したと受け止められた。
これに対し、トランプ大統領は「犯罪問題には弱く、外交政策ではひどい」とし、「イランの核兵器保有を容認する教皇は望まない」と教皇を批判し、対立が激化した。
J・D・ヴァンス米副大統領も14日、保守団体のイベントで「米副大統領が公共政策について発言する際に慎重でなければならないように、教皇も神学的問題を語る際には極めて慎重であるべきだ」と述べ、教皇を批判した。さらに第2次世界大戦中に米軍がナチス・ドイツの強制収容所の収容者を解放した事例に触れながら、「どうして神が剣を取る者たちの側に立たないと言えるのか」「発言が真実に基づいているか確認しなければならない」と主張した。
対立が高まる中、トランプ政権が米国内のカトリック系福祉団体の予算を大幅に削減したとの報道も出た。15日、マイアミ・ヘラルドによると、トランプ政権はマイアミ大司教区カトリック慈善団体が運営する移民児童シェルター向け予算1,100万ドル(約17億円)の打ち切りを決めた。この事業は、移民・税関執行局(ICE)に拘束された保護者のいない移民児童を保護するためのものだ。マイアミ大司教区は、今回の予算中止によって「60年以上続いた政府と教会の協力関係が終わる危機に直面している」と説明した。
これに対し、米保健福祉省の報道官は「トランプ政権が不法入国や、保護者のいない移民児童の密輸や人身売買を防ぐ取り組みを続ける中、難民再定住局は使われていない施設を閉鎖・統合している」と述べた。保護対象となる児童数の減少に伴う予算削減だという説明だ。
レオ14世教皇はこれに先立ち、アルジェリアへ向かう機内で記者団に対し、「私は政治家ではなく、トランプ大統領と論争したいわけではない」と述べたうえで、「彼を恐れてはいない。戦争に反対し、平和を求める声を上げ続ける」と語っていた。
トランプ大統領も同日、取材陣に対し、レオ14世教皇の兄ルイス・プレボスト氏が自身の政治スローガン「MAGA(米国を再び偉大に)」の支持者だとしたうえで、「実際に非常に素晴らしい方だ。教皇もきっと素晴らしい方だろう」と述べた。その一方で、「教皇と直接会ったことはないが、もし教皇がイランの核兵器保有を容認するのであれば、私は教皇と意見が異なる。それは決してあってはならない」とも語った。













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