
ウクライナがロシア各地のエネルギー関連施設に対し、ドローンによる同時多発攻撃を仕掛けた。ロシアの港ではタンカーや燃料タンクが炎上し、製油所の操業が停止するなど、戦闘は港湾施設や燃料インフラ、電力網を狙った相互攻撃へと拡大している。
アラブ系メディアのアルジャジーラが30日(現地時間)、ロシアのRIAノーボスチ通信や現地当局の発表を引用して報じたところによると、最も大きな被害が出たのはロシア南部ロストフ州のタガンログ港だったという。
一方、ロシアも同日夜、ウクライナに対して大規模な空爆を実施した。ロシア軍はドローン90機とイスカンデルMまたはKN23系の弾道ミサイル2発を発射した。
ウクライナ南部ザポリージャではエネルギーインフラが攻撃を受け、約1万3,000人が停電の影響を受けた。北東部スーミ州でもインフラや住宅、車両に被害が出たと現地メディアが伝えた。
ロシア・ロストフ州のユーリー・スリュサル知事は、ロシア国営メッセンジャーのMaxを通じて「ドローン攻撃でタガンログ港のタンカーや燃料タンク、管理棟で火災が発生した」と明らかにした。また「現時点で死傷者は確認されておらず、被害状況を詳しく調べている」と説明した。
タガンログでは民間人の被害も確認された。ドローンが住宅地を直撃し、住民2人が負傷、医療チームが現場で対応にあたっているという。

スリュサル知事によると、ロシア軍の防空部隊はロストフ州内4地域で複数のドローンを撃墜したという。撃墜された地域はタガンログのほか、チェルトコフスキー、マトベエボクルガンスキー、ネクリノフスキー地区などとされる。
ロストフ州グレコボチモフェエフカ村では、ドローン攻撃で住宅のガス管が損傷し火災が発生した。住民は避難し、人的被害はなかった。ネクリノフスキー地区ボツマノボ村では住宅2棟の窓ガラスが破損した。
ロシア各地のエネルギー施設も標的となった。クラスノダール地方アルマビルの石油施設がドローン攻撃を受け、ヤロスラブリ近郊では大型燃料タンクが炎上した。ボルゴグラード製油所も攻撃後に操業を停止したとされる。
タガンログはここ数カ月、ウクライナ軍のドローン攻撃を繰り返し受けている。ロシア当局は3月末の攻撃で1人が死亡、8人が負傷したとしている。
こうした中、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアが新たな大規模攻撃を準備していると警告した。

ゼレンスキー大統領はテレグラムに「ロシアが新たな大規模攻撃を計画しているとの情報を把握している。関係機関は迅速に対応しており、準備は整っている」と投稿した。ゼレンスキー大統領は国民に警戒を呼びかけるとともに、同盟国に対してパトリオット防空ミサイルシステムの供与を急ぐよう求めた。
ロシアはこれに先立ち、首都キーウに滞在する外国人に退避を勧告した。ウクライナの防衛産業施設が市内各地に点在しているとして、連続攻撃を予告していた。
また29日には、ロシアのドローンが北大西洋条約機構(NATO)加盟国のルーマニア東部の集合住宅に墜落し、2人が負傷した。ウクライナ戦争を巡るドローン戦は国境を越え、NATO加盟国にも緊張を広げつつある。













コメント0