
中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の上昇が教育現場にも影響を及ぼし、ランドセルの値上げ懸念や学校給食、修学旅行費の上昇につながっている。
東京都内の百貨店では現在、2027年小学校入学予定の児童向けランドセルの予約販売が行われている。ランドセル製造に主に使用される合成皮革は石油精製過程で生産されるナフサを原料としている。
現在販売中の製品は中東情勢が悪化する前に確保した原材料で製造されているため、大きな価格変動はみられていない。しかし業界では、来年販売される2028年度入学児童向け商品の値上げを懸念する声が出ている。
百貨店の担当者は「2028年春に入学予定の子どもを持つ保護者から『今のうちに購入した方がよいのか』と相談を受けることもある」とし「今後の値上がりを懸念し、購入時期を前倒ししようとする動きもみられる」と話した。
実際に原材料価格の上昇を受けて値上げに踏み切った企業もある。化学メーカーのクラレが展開する合成皮革ブランドのクラリーノはランドセル市場で約70%のシェアを占める。クラレはナフサを原料とするポリエステルやナイロンの価格上昇などを理由に今年4月出荷分から製品価格を引き上げた。
クラレは「物流費を含む各種コストの上昇を企業努力だけで吸収するのは難しい状況だ」と説明している。
学校給食の現場でもコスト増への懸念が強まっている。宮城県内の公立小中学校約500校に給食用のパンを供給する協同組合は、パンの包装材価格が従来より30~50%上昇したと明らかにした。包装材もナフサを原料として製造されている。
同組合によると、1学期分の供給量は確保したが、仕入れ先からはさらなる値上げの可能性を示唆されているという。
全国学校給食推進連合会が地域の給食会を対象に実施したアンケートでは「一部地域で麺類の包装袋やデザート容器が不足する可能性がある」との懸念も示された。
原油高の影響は修学旅行にも及んでいる。航空業界が原油価格上昇分を反映した燃油サーチャージを国内線にも導入することを検討しており、旅行費用の増加が懸念されているためだ。
日本修学旅行協会の竹内秀一理事長は「燃油サーチャージの値上げによる追加負担は、最終的に保護者が負担することになる」と指摘した。
さらに「海外修学旅行では当初の見込みより費用が膨らみ、出発直前に保護者へ追加徴収を行うケースも出ている」と説明した。その上で「旅行費用の上昇が続けば、修学旅行に参加できない生徒が増える可能性もある」として、政府による支援の必要性を訴えた。













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